デシベルとボード直線近似
曲線を二本の直線で代える
金色の曲線が実際の応答で、緑の点線二本がその曲線の代わりとなる漸近線です。周波数を変えると、いまの位置での両者の差が赤い棒で示されます。遮断よりずっと上や下ではほとんど重なっていますが、一か所で最も大きく開きます。二本の漸近線が折れ曲がるその角、つまり遮断周波数を探してください。
デシベルは掛け算を足し算に
デシベルは、ゲインの常用対数を 20 倍した値、つまり dB = 20·log10|H| です。対数なのでゲインの掛け算がデシベルの足し算に変わり、二つの段を直列につなげば、全体のデシベルは各段のデシベルを足すだけで求まります。ゲイン 1(通過)は 0dB、ゲイン 1/√2(半電力)は −3dB、ゲイン 1/10 は −20dB、ゲイン 1/100 は −40dB です。
対数軸で曲線が直線になる
周波数を対数軸に置くと、1 次応答の両端は直線になります。遮断よりずっと下ではゲインがほぼ 1 なので 0dB の水平線、ずっと上では周波数が十倍になるたびに −20dB ずつ下がる傾き一定の直線です。この二本の直線が漸近線で、二本が出会う点が遮断周波数です。実際の曲線は、その角をなめらかに回り込みます。
角でちょうど3dBずれる
漸近線は角で 0dB から折れ曲がるといいますが、実際の曲線はその点ですでに −3dB まで下がっています。そのため直線近似の誤差が最も大きいのがまさに遮断周波数で、その大きさはちょうど 3dB です。角から一オクターブ、つまり二倍離れたところでは誤差は 1dB に縮み、さらに離れるとほぼ 0 になります。ですから二本の漸近線だけを引いて角を 3dB 押し下げれば、手で描いたボード線図は実際とほとんど同じになります。
最初の画面に戻ると
周波数を変えている間、実際の曲線と漸近線の差は遠くではほぼ 0 でしたが、遮断周波数で最も大きく開いて 3dB になりました。曲線を一本描く代わりに、直線を二本引いて角だけ 3dB 押し下げれば十分だということです。デシベルと対数軸で曲線を直線のように引き伸ばしておけば、複雑に見えた周波数応答も手早く見積もれます。