コンデンサとインダクタの電流電圧則
電流は電圧が変わる速さに比例する
上の段はコンデンサにかけた三角波の電圧、下の段はそのとき流れる電流です。電圧の傾き、つまり変化率 dv/dt を動かすと三角波が急になり、下の矩形波の高さもそれに合わせて変わります。コンデンサの電流はその瞬間の電圧ではなく、電圧が変わる速さに比例するからです。i = C·dv/dt。電流がオレンジの点線の目標 4 に届くように傾きを合わせてください。
抵抗とは違う計算
抵抗はオームの法則 v = iR で、今この瞬間の電圧と電流をそのまま結びます。コンデンサは事情が違います。二枚の極板にたまった電荷 q は電圧に比例し(q = Cv)、電流はその電荷が出入りする速さなので(i = dq/dt)、二つを合わせると i = C·dv/dt になります。そのため電流は、電圧が今いくらかではなく、どれだけ速く変わるかで決まり、電圧が高くてもじっとしていれば電流は流れず、電圧が低くても速く変われば大きな電流が流れます。
一定の電圧は電流を止める
dv/dt が 0 なら、つまり電圧が変わらなければ電流も 0 です。直流電圧をかけたままにすると、コンデンサは充電し終えたあと電流を流さないので直流を止め、逆に電圧が速く揺れれば電流も大きく流れるので速い信号はよく通します。図の三角波でそれがはっきり見えます。電圧がまっすぐな傾きで上がる前半のあいだ電流は平らに一定で、傾きが負に折れる後半では電流もすぐに符号を変えて矩形波を描きます。電流の波形は、電圧の波形の傾きをそのまま写したものです。
インダクタは鏡だ
インダクタは、コンデンサと電圧・電流を入れ替えた鏡です。コンデンサが i = C·dv/dt なら、インダクタは v = L·di/dt で、電流の変化率が電圧を生みます。そのためインダクタの電流は急には変われません。一瞬で変わるにはかぎりなく大きな電圧が必要だからです。同じ理由でコンデンサの電圧も急には変われず、こちらはかぎりなく大きな電流が必要になります。この二つの微分法則があらゆる過渡現象の出発点で、時定数 τ も、正弦波で見たインピーダンス jωL と 1/jωC も、結局はこの一対の法則に正弦波を入れて得た結果です。
最初の画面に戻ると
傾き dv/dt を動かすと下の段の電流がそれに比例して大きくなり、傾きが 2 のとき電流が目標 4 に届きました(C = 2)。電圧がまっすぐ上がるあいだ電流は平らで、傾きが急になるほど電流は大きく、傾きが負に折れると電流も符号を変えました。電流はその瞬間の電圧ではなく電圧が変わる速さに従う、つまり i = C·dv/dt がすべてでした。インダクタはこれを入れ替えた鏡 v = L·di/dt です。抵抗が値を結んだなら、コンデンサとインダクタは変化を結び、この一対の微分法則が過渡現象とリアクタンスの根になります。