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CR · 交流電力

交流電力と力率

交流では、電圧と電流を掛けた値がすべて仕事に変わるわけではありません。位相がずれた分は仕事をせず、電源と負荷の間を行き来するだけです。実際に働く分と空回りする分を分け、力率として読み取る方法を、このユニットで学びます。

電力にも直角三角形がある

図の直角三角形で、斜辺が皮相電力、横の辺が有効電力、縦の辺が無効電力です。位相角 θ を変えると、斜辺(皮相電力 S)の長さは変わらないのに、θ が大きくなるほど横の辺は縮み、縦の辺は伸びます。すべての電力が仕事に変わる力率 1、つまり θ = 0 を探してください。

位相角 θθ = 50°
力率と電力分解
PF = 0.64 · P = 6.4 kW · Q = 7.7 kvar
力率が低い

皮相・有効・無効、三つの電力

電圧の実効値と電流の実効値をそのまま掛けたものが皮相電力 S で、単位は VA です。そのうち電圧と電流が同じ拍子で動く部分が、実際に仕事をする有効電力 P で、単位は W です。90 度ずれて仕事をせず、電源と負荷の間を行き来するだけの部分が無効電力 Q で、単位は var です。同じ S でも、P と Q の取り分は位相によって変わります。

位相が直角三角形を作る

有効電力と無効電力は 90 度ずれた成分なので、複素平面で直角に出会います。そのため皮相電力は二つの単純な和ではなく斜辺、つまり S² = P² + Q² になります。有効電力は P = S cosθ、無効電力は Q = S sinθ で、ここで θ がまさに負荷インピーダンスの位相角です。インピーダンスの三角形(R, X, |Z|)の各辺に電流の二乗を掛けたものが、この電力の三角形です。

力率が低いと同じ仕事に大きな電流

力率 PF = cosθ = P/S は、皮相電力のうち実際に仕事になった割合です。図の皮相電力は 10 kVA に固定されているので、初期位置の θ = 50 度では有効電力が 6.4 kW、無効電力が 7.7 kvar です。力率が低いと、同じ有効電力を送るのにより大きな皮相電力、つまりより大きな電流を流さなければならず、その分だけ線路の損失も増えます。そこで工場ではキャパシタを並列につないでインダクタの無効電力を打ち消し、力率を 1 に近づけます。これを力率改善といいます。

観察S² = P² + Q²
二つの成分は直角なので、斜辺として合わせます。
選ぶP = S ?
有効電力はコサイン成分です。
空欄PF = ?
力率は有効電力を皮相電力で割った値です。
自分でθ = 0 → PF = ?
純抵抗なら無効電力は 0 です。

最初の画面に戻ると

位相角を変えると、皮相電力 S の斜辺の長さはそのままなのに、有効電力は減り無効電力は増えました。θ = 0 では三角形が横につぶれて無効電力が消え、有効電力が皮相電力と等しくなって、力率は 1 になりました。インピーダンスの位相がそのまま電力の位相に移り、回路がどれだけ効率よく仕事をするかが、一つのコサインに収まったのです。

皮相電力 S = V·I(VA)は、有効電力 P = S cosθ(W)と無効電力 Q = S sinθ(var)を直角に合わせたもので、S² = P² + Q² です。ここで θ は負荷インピーダンスの位相角です。力率 PF = cosθ = P/S は皮相電力のうち実際に仕事になった割合で、純抵抗(θ=0)なら 1、無効電力 Q は 0 です。力率が低いと、同じ仕事により大きな電流が必要になります。