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CM · 雑音と情報

雑音と SNR

受信機はすべての信号に無作為な雑音を加える。信号が生き残るかは絶対的な強さでなく、信号電力と雑音電力の比、すなわち SNR が決める。同じ信号でも SNR が低いと雑音に埋もれてビットが反転する理由を学ぶ。

信号は雑音に勝っているか

SNR を増減してみよう。SNR が高いと受信レベルは二つの値にぴたりと付き、しきい値できれいに分かれる(金色)が、低くなると散らばり、しきい値を越えたシンボルが赤く誤りになる。

信号対雑音比 SNRSNR = 4.0 dB
スライダーで SNR を掃引しよう。同じ雑音パターンが SNR に応じて大小する。
今の SNR と誤り
SNR = 2.5 = 4.0 dB
雑音に埋もれる

雑音は加わる

導線中の電子は温度のために絶えず揺れ、その揺れがすべての受信機に小さな無作為電圧を生む。受け取る信号は送った信号にこの雑音が加わったもので、r(t) = s(t) + n(t) だ。雑音は消し去れない。できるのは信号を雑音より十分大きくして覆うことだけだ。

大事なのは比 ―― SNR

信号を大きくすると雑音も大きくなるチャネルでは、絶対的な強さは何も教えてくれない。受信機がビットを分けられるかを実際に決めるのは、信号電力 S と雑音電力 N の比、SNR = S/N だ。S が N よりはるかに大きければ二つのレベルは離れて明瞭で、N が S に近づくと二つのレベルが重なって区別が崩れる。比は普通デシベルで書き、SNR(dB) = 10 log₁₀(S/N)。

観察SNR = SN
SNR は信号電力を雑音電力で割った比。
選ぶSNR(dB) = ?
電力比は 10 log₁₀ でデシベルになる。

熱雑音と帯域幅

熱雑音電力は N = k T B で、ボルツマン定数 k、絶対温度 T、そして受け入れる帯域幅 B に比例する。だから帯域を広く開けるほど多くの雑音が入る。SNR を上げる道は二つ。信号電力を大きくするか、必要なだけに帯域を狭めて雑音を減らすか。そしてこの SNR こそ、チャネルが運べる情報の絶対限界であるシャノン容量を決める。

空欄N = k T ?
熱雑音電力は帯域幅に比例する。
自分でB → B/2 : N → ?
帯域を狭めれば雑音電力も一緒に下がる。

最初の画面に戻ると

SNR を下げると、二つのレベルにぴたりと付いていた受信値が次第に散らばり、しきい値を越えたシンボルは赤く誤りになった。SNR をまた上げると値は二つのレベルへ吸い込まれるように集まり、金色できれいになった。その間、信号の絶対的な強さは一度も画面に出なかった。雑音で聞き取るべきはただ一つ。読めるか否かを決めるのは信号がどれだけ大きいかでなく、雑音よりどれだけ高く立っているか、すなわち比 S/N だ。

雑音は受信機がすべての信号に加える無作為な揺らぎで、r(t) = s(t) + n(t) だ。信号が読めるかを決めるのは絶対的な強さでなく信号対雑音比 SNR = S/N、デシベルでは 10 log₁₀(S/N)。熱雑音電力は N = k T B で帯域幅に比例する。SNR が低いと受信レベルが判定しきい値を越えて誤りを生み、SNR は結局チャネルの情報限界であるシャノン容量を決める。

次のユニットで

雑音は無作為なので、ある瞬間の値を前もって知ることはできない。だから雑音を扱うには確率の言葉が要る。次は無作為な信号を分布・平均・分散で記述する方法を見る。釣鐘型の正規分布がなぜ雑音の基本の顔なのか、平均電力とは何かが出発点だ。