チャネル容量とシャノン
このチャネルは目標率を担えるか
曲線は容量 C/B = log₂(1 + SNR) を SNR に対して描いたもので、その下の陰影が実際に到達できる領域です。スライダーで SNR を上げると現在の位置を示す縦線が右へ移り、曲線が点線で引いた目標率より上にあれば金色、下にとどまれば赤になります。目標率より下ということは、どんな符号を使ってもその速度では送れないという意味です。
巧妙なら無限に速いか
雑音がビットを反転させるなら、同じビットを何度も送ったり巧みな符号を付け加えたりして誤りを減らせます。では、符号を十分に精巧に組みさえすれば、どんな雑音のあるチャネルでも望むだけ速く正確に送れるのでしょうか。1948 年、シャノンの答えは意外なものでした。それはできず、越えられない天井があるというのです。ただし、その天井の下では誤りをいくらでも 0 に近づけられます。
シャノンの公式
天井の値は C = B log₂(1 + SNR) の一行で書けます。C は 1 秒間に誤りなく送れる最大のビット数、B は帯域幅、SNR は信号対雑音比です。この式には変調方式も符号の種類も入っていないので、通信路容量は帯域幅と SNR の二つの数だけで決まることになります。送りたい速度 Rb が C より小さければ適切な符号でいくらでも確実に送れ、C より大きければどんな方法でも誤りは避けられません。
取引 ―― 帯域幅と電力
容量を上げる道は二つあります。帯域幅を広げるか、信号電力を大きくして SNR を上げるかです。ところが、両者の効き方はかなり違います。SNR が同じなら、帯域幅は式の前に掛け算でついているので二倍に広げれば容量も二倍になりますが、SNR は対数の中にあるので、1 ビット増やすには SNR をおよそ二倍にしなければなりません。電力を増やす方はすぐに効き目が鈍るので、電力が貴重なら帯域を広げ、帯域が貴重なら電力をつぎ込みます。ただし電力を一定にしたまま帯域だけを広げると、雑音も帯域に比例して増えて SNR が下がるため、帯域をどれほど広げても、ビット一つを送るのに必要なエネルギーには越えられない最小値が残ります。
最初の画面に戻ると
SNR が低いときは容量曲線が目標率の下に沈み、その速度はどんな符号でも送れない赤でした。SNR を上げると曲線はゆっくり持ち上がって目標を越え、金色に変わりました。曲線が対数なので、一段上がるごとにますます大きな SNR が必要でした。覚えておくことは一つです。誤りのない通信の絶対的な天井は、帯域幅と SNR だけで決まる C = B log₂(1 + SNR) であり、その下はすべて可能で、その上はすべて不可能です。
次のユニットで
シャノンは、C より下なら誤りを 0 に近づけられると約束しましたが、その方法は語りませんでした。最後のユニットでは、その方法である誤り訂正符号化を扱います。送るビットに規則に従って余分なビットを付け加えると、雑音がいくつかを反転させても、受信機はその余分を手がかりにずれに気づいて正せます。パリティビット一つから始めて、誤りを検出し訂正する原理までたどります。