振幅変調 AM
包絡線はメッセージをなぞるか
青い線が速く振動する搬送波で、その上下を包む金色の点線が包絡線です。変調指数 m を下げたり上げたりすると、包絡線がメッセージの形に沿って揺れる深さが変わります。m が 1 を超えた瞬間、包絡線は 0 の下へ折れ返り、その区間が赤い実線に変わります。
振幅にメッセージを載せる
搬送波 cos(ωc t) は非常に速く振動し、メッセージを運ぶ担い手です。この振幅をメッセージに合わせて大きくしたり小さくしたりすると、速い振動の山を結んだ曲線、つまり包絡線がゆっくりしたメッセージの形をそのまま描きます。受信機は包絡線を取り出すだけでメッセージを取り戻せるので、ダイオード一つで作る簡単な包絡線検波器で十分です。
変調指数 m が揺れの深さを決める
s(t) = [1 + m cos(ωm t)] cos(ωc t) において、m は振幅が揺れる深さを表します。m が小さいと包絡線はわずかに揺れるだけでメッセージは弱くしか載らず、m が 1 に近づくと振幅はほぼ 0 まで下がってから元の二倍まで上がります。逆に、図で包絡線の山の高さ Amax と谷の高さ Amin を測れば、m = (Amax − Amin)/(Amax + Amin) で変調指数が求められます。
過変調と帯域幅
m が 1 を超えると、1 + m cos(ωm t) が負になる区間が生じます。そこでは包絡線が 0 を突き抜けて反対側へ折れ返り、上下が入れ替わります。図で赤い実線に変わる部分がまさにそこです。包絡線検波器は折れ返った形を見分けられず、メッセージを歪めて読み取ってしまいます。これを過変調といいます。一方、掛け算はメッセージのスペクトルを搬送波の両側に一つずつ移して二つの側波帯を作るので、AM の帯域幅はメッセージ帯域幅の二倍、B = 2 fm になります。
最初の画面に戻ると
変調指数を上げるほど包絡線は深く揺れてメッセージをはっきり描き、m が 1 を超えると包絡線は 0 を突き抜けて折れ返り、その区間が赤くなりました。0.45 から 1 の間では包絡線がメッセージを忠実になぞり、メーターも金色を指しました。AM で覚えておくことは一つです。メッセージは振幅の包絡線にあり、その包絡線は m ≤ 1 のときだけメッセージと同じ形になります。
次のユニットで
AM はメッセージを振幅に載せるので、雑音に弱い方式です。雑音が振幅を揺らすと、包絡線がすぐに乱れてしまうからです。次の FM では、メッセージを搬送波の瞬時周波数に載せ、帯域幅を多く使う代わりに雑音に強くなる方式を見ます。