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高校1~高校2年生 (15-17歳)

地学基礎 宇宙の膨張とビッグバン わかりやすく

Expanding Universe & Big Bang

宇宙では、銀河が空間の中を飛んでいるのではなく、銀河どうしのあいだの空間そのものが伸びることで、すべての銀河がたがいに遠ざかっています。 そのため遠くの銀河ほど速く遠ざかり、この関係がハッブルの法則 v = H₀d です。遠ざかる銀河の光は波長が伸び、赤いほうへずれる赤方偏移として観測されます。 時間を逆にたどると、約 138 億年前に宇宙全体がきわめて高温・高密度の状態にあったという結論にいたります。これがビッグバン宇宙論です。 図でスケールファクターを大きくすると、すべての距離が同じ倍率で伸び、下のグラフの三つの点がいつも原点を通る一本の直線にのるようすを見ることができます。

宇宙は膨張している

🎈 風船の表面の点で考える
①風船の表面に点を均等に描いてふくらませると、どの二点のあいだの距離も同じ倍率で伸びる
②どの点に立って見ても、ほかの点はすべて自分から遠ざかるので、膨張する宇宙には特別な中心がない
③点が表面の上を走っているのではなく表面が伸びているように、銀河も空間そのものが伸びることで遠ざかる
④はじめに二倍遠くにあった点は、同じ時間に二倍多く遠ざかる

宇宙の膨張を図で見る

1.5
💡 図で見るところ
①上の列ははじめの状態、下の列は空間がスケールファクター a 倍に伸びたあとの状態である
②中央の観測者から一つ離れた銀河が x だけ遠ざかるあいだに、二つ離れた銀河は 2x、三つ離れた銀河は 3x 遠ざかる
③同じ時間に遠ざかった距離が速さなので、後退速度はいまの距離に比例する
④そのため下のグラフの三つの点は、a がいくつでも原点を通る一本の直線にのり、この直線の傾きがハッブル定数にあたる

ハッブルの法則と赤方偏移

ハッブルの法則
v = H₀d
後退速度(v)は距離(d)に比例し、比例定数 H₀ をハッブル定数という。現在の測定値は約 70 km/s/Mpc である
赤方偏移
z = Δλ / λ₀ ≈ v / c
遠ざかる銀河の光は波長が伸びる。後退速度が光速よりずっと小さいときは、z ≈ v / c から速度を求める
🔴 赤方偏移で速度を、ハッブルの法則で距離を
①近づいてきた救急車が通りすぎて遠ざかるとサイレンの音が低くなるように、遠ざかる光源の光は波長が伸びる
②銀河のスペクトルで吸収線が実験室での位置より赤いほうへずれた量が赤方偏移である
③赤方偏移から後退速度を求めれば、ハッブルの法則 d = v / H₀ で距離を見積もることができる
④ハッブルは 1929 年、銀河の距離と後退速度をくらべてこの比例関係を発表した

ビッグバン宇宙論

ビッグバン宇宙論の要点
約 138 億年前のきわめて高温・高密度の状態 → 空間が膨張して冷える → いまの宇宙
ビッグバンは一点で起こった爆発ではなく、宇宙のあらゆる場所がいっせいに膨張を始めたできごとである
ビッグバン宇宙論の証拠
① 宇宙の膨張(ハッブルの法則)② 宇宙背景放射(約 2.7 K)③ 水素:ヘリウムの質量比 ≈ 3:1
宇宙の膨張は定常宇宙論も認めるので、二つの理論を分けたのは②と③である。定常宇宙論ではこの二つを説明しにくい
📡 宇宙背景放射
①ビッグバンから約 38 万年後に宇宙の温度が約 3000 K まで下がると、電子と原子核が結びついて原子になり、光は物質にさえぎられずにまっすぐ進めるようになった
②そのとき広がった光が宇宙の膨張で波長を伸ばされ、いまでは約 2.7 K のマイクロ波として、空のあらゆる方向からほぼ一様に観測される
③1965 年、ペンジアスとウィルソンがアンテナの雑音を調べているうちに偶然発見した
④ビッグバン宇宙論があらかじめ予言していた放射だったので、この発見でビッグバン宇宙論が広く受け入れられた

例題と過去問で確認

例題 1
ハッブル定数が H₀ = 70 km/s/Mpc のとき、100 Mpc 離れた銀河の後退速度はいくらか。
1
ハッブルの法則 v = H₀d に値を入れる。
2
v = 70 km/s/Mpc × 100 Mpc = 7000 km/s である。
▸ 7000 km/s
同じ宇宙で 200 Mpc 離れた銀河は、二倍の 14000 km/s で遠ざかる。距離が二倍なら後退速度も二倍である。
例題 2
ビッグバン宇宙論を支える観測的証拠のうち、定常宇宙論では説明しにくい二つは何か。
1
宇宙の膨張(ハッブルの法則)は定常宇宙論も認めるので、二つの理論を分ける証拠にはならない。
2
ビッグバンから約 38 万年後に出た光である宇宙背景放射(約 2.7 K)と、初期の宇宙でつくられた水素:ヘリウムの質量比(約 3:1)が、ビッグバン宇宙論の予言と合う。
▸ 宇宙背景放射(約 2.7 K)と、水素:ヘリウムの質量比 ≈ 3:1
定常宇宙論は、宇宙が膨張するあいだに新しい物質が生まれて密度がつねに同じだと考えるので、宇宙全体が熱かった時代の名残である背景放射を説明できない。
韓国修能 類題
宇宙の膨張とビッグバン宇宙論についての説明として正しいものはどれか。
①赤方偏移は銀河が近づくときに現れる
②ハッブルの法則によれば、遠くの銀河ほど速く遠ざかる
③宇宙背景放射の温度は約 270 K である
④宇宙の年齢は約 46 億年である
⑤宇宙背景放射は特定の一方向からだけ観測される
▸ ② ハッブルの法則によれば、遠くの銀河ほど速く遠ざかる
1
ハッブルの法則 v = H₀d では後退速度が距離に比例するので、遠くの銀河ほど速く遠ざかる。
2
赤方偏移は銀河が遠ざかるときに現れ(①)、宇宙背景放射は約 2.7 K で(③)、宇宙の年齢は約 138 億年であり(④)、背景放射はあらゆる方向からほぼ一様に観測される(⑤)。

まとめ

宇宙の膨張とビッグバンの要点
赤方偏移 → 後退速度 → v = H₀d → 宇宙の膨張 → ビッグバン宇宙論
赤方偏移が距離に比例するという観測から宇宙の膨張が確かめられ、宇宙背景放射と軽い元素の割合がビッグバン宇宙論を支えている
🎯 試験ポイント
①ハッブルの法則 v = H₀d:後退速度は距離に比例する
②赤方偏移:遠ざかる銀河の光は波長が伸び、吸収線が赤いほうへずれる
③宇宙の膨張には中心がなく、どの銀河から見てもほかの銀河が遠ざかる
④ビッグバン宇宙論の証拠は、宇宙背景放射(約 2.7 K、ビッグバンから約 38 万年後に出た光)と水素:ヘリウムの質量比 ≈ 3:1 である
⑤宇宙の年齢は約 138 億年である

最終更新

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