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高校1~高校2年生 (15-17歳)

化学基礎 化学の言語 — モル わかりやすく

The Mole Concept

原子や分子は小さすぎて一つずつ数えられないので、化学では 6.022 × 10²³ 個をひとまとまりとして 1 モル(mol)と呼びます。 モルを使うと、目に見えない粒子の数、てんびんで量る質量、気体の体積が一つの数でつながり、化学反応式の係数もそのまま物質量の比として読めます。 原子量や分子量に g をつけると 1 mol の質量になり、0 ℃ · 1 気圧では気体 1 mol は種類によらず 22.4 L を占めます。 図では、物質量を点のまとまりで、元素ごとに違う 1 mol の質量を棒で、三つの量の換算を三角形で描き分けています。

なぜモルというまとまりが要るのか

反応式は粒子がいくつずつ出会うかを書くが、実験室で手にできるのはてんびんに表示されるグラムだけだ。この二つを結べなければ、2H₂ + O₂ → 2H₂O という式を知っていても、水素を何 g 入れればよいかが決まらない。原子は一つずつ数えられないので、まずまとまりの大きさをアボガドロ定数 N_A で決め、そのまとまり一つが何 g になるかを元素ごとに書き留めておくやり方がモルだ。物質量が同じなら元素が違っても粒子の数は同じで、質量だけがモル質量 M のぶん違う。だからモルは質量の別名ではなく数を数える単位で、水 18 g が 1 mol なのは水分子 N_A 個の質量が 18 g だからだ。

💡 鉛筆 1 ダース、紙 1 連のように
①鉛筆 12 本を 1 ダースと呼ぶように
②紙 500 枚を 1 連と呼ぶように
③原子や分子 6.022 × 10²³ 個を 1 mol と呼ぶ
④まとまりがこれほど大きいのは原子が小さすぎるから。これだけ集めてやっと、てんびんに載るグラムの単位になる
⑤水 1 mol は 18 g、体積にして約 18 mL で、大さじ一杯を少し超える

アボガドロ定数とモル

最初の図では、点 40 個を囲んだ点線の箱一つが 1 mol にあたる。スライダーで物質量を 0.5 mol から 3.0 mol まで上げると箱が一つずつ満たされ、上の行にはその物質量に N_A を掛けた実際の粒子の数が出る。二つ目の図の左の皿には、選んだ元素にかかわらず原子がいつも同じ数だけ載っていて、右の棒はその同じ数の質量が H 1 g、C 12 g、O 16 g、Fe 56 g と違うことを並べて見せる。三つ目の図はモルを上の頂点に、質量と粒子の数を下の両側に置き、辺に沿ってモルから出る向きに × M と × N_A を、モルへ戻る向きに ÷ M と ÷ N_A を書いている。

1 mol
物質量と粒子の数
n = NNA
n:物質量(mol)、N:粒子の数、NA = 6.022 × 10²³ /mol
🔍 N_A はどれほど大きいか
①1 秒に 1 億個ずつ休まず数えても、1 mol を数え終えるには約 1 億 9 千万年かかる
②地球の 80 億人が 1 秒に一つずつ一緒に数えても約 240 万年かかる
③この途方もない数を 1 mol という一つの単位で扱えば、計算が簡単になる
④反応式の係数の比は粒子の数の比であり、物質量の比でもある

モル質量:原子量とのつながり

よくある誤りは、原子量の数字に g をつければそれが手元の物質の質量だと考えることだ。その数字は 1 mol の質量にすぎないので、手元の水 36 g が何 mol かを知るには 18 g/mol で割らなければならない。気体の体積も同じで、22.4 L が 1 mol と対になるのは 0 ℃、1 気圧のときだけだ。25 ℃ の室温では同じ 1 mol が約 24.5 L を占めるので、条件が違えばその目盛りをそのまま使えない。計算を始める前に、与えられた量が粒子の数か、質量か、気体の体積かを確かめ、それぞれ N_A、M、22.4 L で割って物質量に直せば迷わない。

C
モルと質量
n = mM
m:質量(g)、M:モル質量(g/mol)
物質量と気体の体積
V = n × 22.4 L(0 ℃, 1 atm)
0 ℃、1 気圧で気体 1 mol の体積は、気体の種類によらず 22.4 L
💡 モル質量のきまり
①炭素原子 N_A 個の質量は 12 g。原子量 12 に g をつけた値と同じ
②酸素は原子量が 16 なので、1 mol は 16 g
③分子は原子量をすべて足した分子量に g をつける。水(H₂O)は 1 × 2 + 16 = 18 なので 1 mol が 18 g
④鉄 1 mol(56 g)が水素 1 mol(1 g)より 56 倍重いのは、数が多いからではなく原子一つが 56 倍重いからだ

モルをつなぐ三つの道

粒子数 → モル
n = NNA
NA = 6.022×10²³
質量 → モル
n = mM
M:モル質量(g/mol)
気体の体積 → 物質量(0 ℃, 1 atm)
n = V22.4
V:0 ℃、1 気圧での気体の体積(L)

実際に解いてみる

例題 1
水(H₂O)36 g は何 mol か。(原子量 H = 1、O = 16)
1
まず水のモル質量を求める。
M(H₂O) = 2 × 1 + 16 = 18 g/mol
2
質量をモル質量で割る。
n = 36 g ÷ 18 g/mol = 2 mol
▸ 2 mol
36 g は水 1 mol(18 g)の 2 倍なので 2 mol。モル質量の数値は分子量と同じで、単位だけが g/mol になる。
例題 2
0 ℃、1 気圧で酸素(O₂)2 mol の体積と分子の数を求めよ。
1
0 ℃、1 気圧で気体 1 mol の体積は 22.4 L なので、物質量に 22.4 L を掛ける。
V = 2 × 22.4 L = 44.8 L
2
分子の数は物質量に NA を掛ける。
N = 2 × 6.02 × 10²³ = 1.204 × 10²⁴ 個
▸ 体積 44.8 L、分子の数 1.204 × 10²⁴ 個
物質量が一つわかれば、三角形のほかの頂点へすぐに渡れる。体積と分子の数を同じ 2 mol から別々に求めた。

総まとめ

2023 評価院 模試 化学Ⅰ 類題
0 ℃、1 気圧で二酸化炭素(CO₂)8.8 g の体積は。(原子量 C = 12、O = 16)
①2.24 L
②4.48 L
③11.2 L
④22.4 L
⑤44.8 L
▸ ② 4.48 L
1
M(CO₂) = 12 + 2 × 16 = 44 g/mol なので、n = 8.8 ÷ 44 = 0.2 mol。
2
質量から物質量へ、物質量から体積へと二回渡る。物質量に 22.4 L を掛ける。
V = 0.2 × 22.4 L = 4.48 L
🎯 試験ポイント
①物質量に直す三つの道:粒子の数 ÷ N_A、質量 ÷ M、気体の体積 ÷ 22.4 L
②N_A = 6.022 × 10²³ /mol
③原子量(分子量)とモル質量は数値が同じで、単位 g/mol だけが違う
④0 ℃、1 気圧で気体 1 mol は 22.4 L。条件が違えばこの値は使わない
⑤物質量の計算はほぼ毎年出る。与えられた量が三つのうちどれかをまず確かめる

最終更新

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