秤に載せたグラムと目に見えない粒子の個数は、一本の線で出会わなければ反応式を個数比として読む道がありません。原子を一つずつ数えるのはほぼ不可能なので、まとまりの大きさをアボガドロ数 N_A で先に固定してから、質量と標準状態の体積へ橋を渡せます。同じモル数なら粒子数は等しく、質量はモル質量 M を掛けた分だけ違うので、モルは質量の別名ではなく個数をまとめる単位です。水 18 g を 1 mol とする規則も、そのまとまりが分子量に g を付けた値と等しいという意味であり、グラムそのものがモルだという意味ではありません。
💡 例え:鉛筆1ダース、紙1連
①鉛筆12本を'1ダース'と呼ぶように
②紙500枚を'1連'と呼ぶように
③原子6.022×10²³個を'1モル'と呼ぶ
④原子は小さすぎて1個ずつ数えるのは不可能 — まとめ単位が必要
⑤1 molの水 = 18 mL(約大さじ1!) — 巨視と微視を繋ぐ橋
アボガドロ数とモル
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モル数による粒子数の変化の可視化
最初の絵はモル数 n を 0.5 mol から 3.0 mol まで変えると点の数が増える格子で、上の数はその n mol を N_A 倍した個数を示します。二枚目は H、C、O、Fe を選ぶたびに秤の上の原子模様と 1 mol の質量が 1 g、12 g、16 g、56 g に変わる場所です。三枚目は上にモル、左に質量、右に粒子数を置いた三角形で、辺に沿って ×M と ÷M、×N_A と ÷N_A が書いてあり、下には V = n × 22.4 L (STP) が付きます。二つのスライダーは別なので、点を増やす軸と元素を替える軸を混ぜて読まなくても大丈夫です。
1 mol
モルと粒子数
n = NNA
n:モル数、N:粒子数、NA = 6.022×10²³ /mol
🔍 N_Aはどれほど大きい?
①6.022×10²³個の米粒 = 地球全体を約1 km厚で覆う量
②毎秒1億個ずつ数えても約190億年
③この膨大な数を'1 mol'という1単位で扱う
④化学の反応比 = 個数比 = モル比
モル質量 — 原子量との関係
原子量の数字の後ろに g を付けるだけで、それが質量の単位だと信じやすいです。その数字は 1 mol の質量を与える橋にすぎず、手元のグラムをモルにするには必ず M で割ります。気体の体積を同じ三角形に載せるときも、0°C、1 atm のときだけ 22.4 L が 1 mol と対になり、温度や圧力がずれればその目盛りをそのまま移してはいけません。粒子数 N は N_A で割り、質量 m は M で割り、体積 V は条件が合うときだけ 22.4 で割る、という三本を、今どのマスに立っているかで先に示す方が安全です。