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高校1~高校2年生 (15-17歳)

化学基礎 電子配置 わかりやすく

Electron Configuration

電子はどの軌道にでも入るわけではなく、三つの規則に順に従って席が決まります。 エネルギーの低い軌道から満たす構成原理、一つの軌道にはスピンが逆向きの電子を二つまでしか入れないパウリの排他原理、エネルギーの等しい軌道が複数あればまず一つずつ入れるフントの規則です。 この三つがあれば原子番号から電子配置が書け、残る不対電子の数から磁性や結合の性質まで見当がつきます。 図の箱一つが軌道一つ、上下の矢印がスピンの逆向きな二つの電子なので、原子番号を上げて箱が埋まる順序を追えます。

電子はどの箱から入るのか

💡 マンションへの入居にたとえると
①下の階(1s)から埋める。下の階に空きがあるうちは上の階へ上がらない。これが構成原理
②一部屋には二人まで、それも互いに逆向きで入る。図の一つの箱に ↑ と ↓ が並ぶ姿がパウリの排他原理
③同じ階に部屋が複数あれば、まず一部屋に一人ずつ入る。酸素の 2p では三つの箱に一つずつ入ったあと、四つ目の電子が最初の箱で対をつくり、不対電子が 2 個残る
④三つの規則を順に当てはめると、どの原子でも基底状態の電子配置が一つに決まる

原子番号を上げて埋めていく

6
🔍 スライダーで立ち寄りたい元素
①Z = 1(H):1s¹。電子一つがいちばん低い箱に入る
②Z = 6(C):1s² 2s² 2p²。2p の二つの電子は一つの箱にまとまらず二つの箱に分かれ、不対電子は 2 個
③Z = 10(Ne):2p まで満ちて不対電子は 0 個。だから反応しにくい貴ガスになる
④Z = 19(K):3d の箱が空いているのに、19 番目の電子は 4s に入る。4s のほうが 3d よりエネルギーが低いからだ
⑤Z = 24(Cr)と 29(Cu)は例外で、4s の電子が一つ 3d へ移り、3d が半分または全部満ちる

配置を決める三つの規則

構成原理
1s → 2s → 2p → 3s → 3p → 4s → 3d → 4p
エネルギーの低い軌道から順に満たす
パウリの排他原理
一つの軌道に電子は最大 2 個(↑↓)
一つの原子の中で、四つの量子数がすべて同じ電子は二つ存在できない
フントの規則
エネルギーの等しい軌道 → まず一つずつ、スピンはそろえて
電子どうしが離れているほど反発が小さく、エネルギーが低くなる
💡 不対電子が性質を変える
①不対電子をもつ原子は磁石に引き寄せられる常磁性を示し、不対電子が多いほどその性質が強い
②電子がすべて対をつくると、磁石からわずかに押し返される反磁性になる
③同じ族の元素は価電子の配置が同じ(1 族はどれも ns¹)なので、化学的性質が似る
④遷移金属は 4s と 3d のエネルギーが近く、両方の電子を出せるので、いくつもの酸化数をとる

解いてみる

例題 1
ナトリウム(Na、原子番号 11)の基底状態の電子配置を書け。
1
11 個の電子をエネルギーの低い軌道から入れる。1s に 2 個、2s に 2 個、2p に 6 個入れると、残りの 1 個は 3s に入る。
1s² 2s² 2p⁶ 3s¹
2
指数をすべて足し、原子番号と一致するか確かめる。
2 + 2 + 6 + 1 = 11
▸ 1s² 2s² 2p⁶ 3s¹
最後の電子は新しい殻の 3s にひとりで入る。この一つを手放しやすいので、ナトリウムは反応性の高い 1 族の金属になる。
例題 2
酸素(O、原子番号 8)の基底状態の電子配置と不対電子の数を求めよ。
1
8 個の電子を構成原理に従って入れる。
1s² 2s² 2p⁴
2
2p の電子 4 個はフントの規則に従って三つの箱に一つずつ入れ、残る一つを最初の箱で対にする。
2p:↑↓ ↑ ↑ → 不対電子 2 個
▸ 1s² 2s² 2p⁴、不対電子 2 個
2p に電子が 4 個あっても、二つの箱に二対で収まるわけではない。最初の図の酸素がまさにこの配置だ。

まとめ

殻に入る電子の最大数
主量子数 n の殻:最大 2n² 個
n = 1 → 2、n = 2 → 8、n = 3 → 18、n = 4 → 32
副殻に入る電子の最大数
s = 2、p = 6、d = 10、f = 14
方位量子数 l の副殻には軌道が 2l + 1 個、電子は 2(2l + 1) 個入る
2022 評価院 模試 化学Ⅰ 類題
基底状態の電子配置が 1s² 2s² 2p⁶ 3s² 3p⁵ である元素はどれか。
①F
②Ne
③Na
④Cl
⑤Ar
▸ ④ Cl
1
指数の和が電子の数、つまり原子番号になる。
2
2 + 2 + 6 + 2 + 5 = 17 なので、原子番号 17 の元素を選ぶ。
原子番号 17 → Cl(塩素)
🎯 試験のポイント
①電子配置は埋まる順に書き、指数の和が原子番号と等しいか確かめる
②4s は 3d より先に満たされる
③He、Ne、Ar のように殻や副殻が満ちた配置は安定
④不対電子はフントの規則で箱を描いて数える。p³ は 3 個、p⁴ は 2 個
⑤陽イオンは最も外側の殻の電子から失う。Na⁺ は 3s¹ を失って 1s² 2s² 2p⁶ になる

最終更新

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