seegongsik
高校1~高校2年生 (15-17歳)

化学基礎 原子模型の変遷 わかりやすく

Atomic Models

原子模型は、新しい実験結果が出るたびに、それを説明できるように変わってきました。 トムソンは電子を発見して正電荷の中に電子が埋まった模型を、ラザフォードはα粒子の散乱実験から原子核のある模型を、ボーアは水素の線スペクトルを説明する軌道の模型を提案しました。 ボーア模型では電子のエネルギーは主量子数 n によって飛び飛びの値だけをとり、電子が高い準位から低い準位へ移るとき、その差のエネルギーをもつ光が出ます。 図で主量子数 n を変えると、電子が回る軌道とエネルギー準位、n = 1 へ落ちるときに出る光のエネルギーがいっしょに変わります。

原子模型はなぜ変わったのか

💡 新しい実験結果に合わせて変わった模型
①トムソン:電子を発見し、正電荷のかたまりの中に電子が埋まっている模型を提案した
②ラザフォード:α粒子の散乱実験で、原子の中心にある小さく重い原子核を発見した
③ボーア:水素の線スペクトルを説明するため、電子は決まった軌道だけを回るという模型を立てた
④現代:電子の波動性を取り入れ、電子が存在する確率を表すオービタルの模型を使う
⑤ボーア模型は水素のように電子が一つの原子しかうまく説明できず、電子が多い原子は説明できない

ボーア模型とエネルギー準位

2
水素原子のエネルギー準位
En = −13.6n2 [eV]
n が大きいほどエネルギーは高くなり、0 に近づく
電子が遷移するときに出る光のエネルギー
ΔE = E高 - E低 = hν
h はプランク定数、ν は光の振動数
🔍 図の読み方
①n = 1 は基底状態で、E = −13.6 eV と最も安定である
②n = 2 は第一励起状態で、E = −3.4 eV である
③n が大きくなるほど軌道は n² に比例して大きくなり、エネルギー準位の間隔は狭くなる
④n → ∞ で E → 0 となり、電子は原子から離れる(イオン化)

線スペクトルと電子遷移

光子のエネルギー
E = hν = hcλ
h = 6.626×10⁻³⁴ J·s, c = 3×10⁸ m/s
💡 電子の遷移と光
①電子が高い準位から低い準位へ移ると、そのエネルギー差に等しい光を出す
②エネルギー差が大きいほど、光の振動数は大きく波長は短い
③水素の線スペクトルは、エネルギー準位が飛び飛びであることの証拠である
④n = 1 へ落ちる遷移は紫外線を出す(ライマン系列)
⑤n = 2 へ落ちる遷移は可視光線を出す(バルマー系列)

実際に解く

例題 1
ラザフォードのα粒子散乱実験では、ほとんどの粒子はまっすぐ通り抜けたが、一部は大きな角度で跳ね返された。ここからわかる原子の構造は何か。
1
ほとんどの粒子がまっすぐ通り抜けたことを解釈する。
ほとんどが直進 → 原子の中はほとんどが空っぽ
2
一部の粒子が大きな角度で跳ね返されたことを解釈する。
一部が大きな角度で散乱 → 小さく重い (+) の原子核がある
▸ 原子の中心にある小さく重い (+) の原子核の発見
原子の質量と正電荷がごく小さな中心に集まっていなければ、α粒子が大きな角度で跳ね返されることは説明できない。
例題 2
ボーア模型がトムソンやラザフォードの模型と違って説明できた現象は何か。
1
電子はどこにでもいるのではなく、決まった軌道にだけいると仮定する。
電子は決まったエネルギー準位(軌道)にだけ存在する
2
電子が準位の間を移るとき、光を出したり吸収したりすると考える。
準位間の遷移 → 決まった振動数の光の放出・吸収 → 線スペクトル
▸ 水素原子の線スペクトル
エネルギー準位が飛び飛びに決まっていてこそ、光も決まったエネルギーでしか出ず、線スペクトルが不連続になる。

まとめ

ボーア模型のエネルギー準位
En = −13.6n2 [eV]
水素原子の電子のエネルギー
遷移エネルギー
ΔE = 13.6(1nf2 - 1ni2) [eV]
ni から nf へ遷移するときのエネルギー変化
2021 評価院 模試 化学Ⅰ 類題
水素原子の不連続な線スペクトルを初めて説明した原子模型はどれか。
①ドルトン模型
②トムソン模型
③ラザフォード模型
④ボーア模型
⑤現代のオービタル模型
▸ ④ ボーア模型
1
トムソンの模型とラザフォードの模型では、線スペクトルを説明できない。
2
ボーアは電子のエネルギー準位を量子化して、線スペクトルを説明した。
ボーア:エネルギー準位の量子化 → 不連続な線スペクトルを説明
🎯 試験ポイント
①原子模型の移り変わりの順:トムソン → ラザフォード → ボーア → 現代の模型
②ボーア模型が説明できるのは電子が一つの水素原子だけである
③水素原子のエネルギー準位 Eₙ = −13.6/n² eV
④線スペクトルはエネルギー準位が不連続であることの証拠である
⑤基底状態 n = 1 はエネルギーが最も低く、最も安定である

最終更新

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