生物基礎 生命現象の特性 わかりやすく Characteristics of Life
生物は細胞からなり、代謝を行い、刺激に反応しながら体の中を一定に保ち、発生と成長を経て大きくなり、子に遺伝情報を伝え、世代を重ねて環境に適応し進化します。
この六つのうちいくつかは生物でないものも見かけだけまねできるので、生物かどうかを見分けるには六つをいっしょに考える必要があります。
代謝は小さな分子から大きな分子をつくる同化と、大きな分子を分解してエネルギーをとり出す異化からなり、ウイルスは自分で代謝ができないため生物と非生物の境界に置かれます。
図では樹木・ウイルス・ろうそくの炎・食塩の結晶を順に選び、六つの特徴を一つずつ判定した結果とその理由を見ることができます。
生きているということ 生物かどうかは、一つの様子だけでは決められない。大きくなることだけを見れば食塩の結晶もだんだん大きくなり、エネルギーを使うことだけを見ればろうそくの炎も酸素をとりこんで熱と光を出す。そこで生物学では、細胞からなること、代謝、刺激への反応と恒常性、発生と成長、生殖と遺伝、適応と進化という六つの特徴をあわせて考える。このうちいくつかは非生物も見かけだけまねできるが、六つすべてをそなえているのは生物だけである。特徴を一つずつ切り分けて見るのは、ウイルスのように一部だけをもつ場合を正確に説明するためである。
🌱 生きているということの意味
①石と樹木のちがいは、樹木が細胞からなり、自分で栄養をつくり、成長し、子を残すところにある
②生物は六つの共通の特徴をすべてそなえ、非生物はその一部を見かけだけまねる
③ウイルスは遺伝物質をもち進化もするが、細胞の構造と自前の代謝がないので、生物と非生物の境界にある
生物かどうか見分ける see gongsik.com
樹木・ウイルス・ろうそくの炎・食塩の結晶が生命現象の六つの特徴をそなえているかを判定した表 いちばん上の題には、選んだ対象と、六つの特徴のうちその対象が完全にそなえている数が出る。その下の六行は特徴ごとに一行ずつで、緑の円はその特徴がある、赤の円はない、黄色の三角は条件つきであることを表す。右側の文はそう判定した理由である。樹木は六行がすべて緑で、ろうそくの炎と食塩の結晶は熱を出したり大きくなったりするように見えても、すべての行が赤い。ウイルスは細胞と代謝の行が赤いが、宿主細胞の中でだけふえる生殖の行は黄色、突然変異によって変わっていく進化の行は緑で、生物と非生物の境界に置かれる。
🔬 表で見るところ
①樹木は六つの特徴をすべてそなえているので生物である
②ろうそくの炎は酸素を使って熱を出し、食塩の結晶はだんだん大きくなるが、細胞も代謝もないので、すべての特徴が「なし」である
③ウイルスは細胞も代謝もないが、宿主細胞の中でふえ、変異を経て進化するので、一部の特徴だけをもつ
④このように一つ二つの様子が似ているだけでは生物にならず、六つをあわせて考えてはじめて判定がゆるがない
生命現象の六つの特徴 動くからといって生きているわけではない。自動車は燃料を燃やして動くが、細胞がなく、自分で体をつくることも子を残すこともない。逆に、根を張った樹木は歩かなくても光の方へ曲がり、気孔を開け閉めして体の水の量を調節し、種子を広げて DNA を伝える。もう一つよくある誤解は、適応と進化を一つの個体が一生のあいだに経験する変化と考えることである。進化は個体ではなく集団の遺伝的な構成が何世代もかけて変わることで、だから世代を重ねて変わっていくウイルスは、進化の行についてだけは生物と同じ判定を受ける。
生命現象の特徴
生物に共通する特徴
▸ 細胞からなる
▸ 代謝
▸ 刺激への反応と恒常性
▸ 発生と成長
▸ 生殖と遺伝
▸ 適応と進化
同化と異化 代謝比較
同化と異化
項目 同化 異化 方向 小分子 → 大分子 大分子 → 小分子 エネルギー 吸収(吸熱反応) 放出(発熱反応) 例 光合成、タンパク質の合成 細胞呼吸、消化 ATP ATP を使う 放出したエネルギーで ATP をつくる
代謝のかなめ
代謝 = 同化 + 異化
代謝はすべて酵素がかかわる化学反応で、エネルギーの出入りをともなう
例題で確認 例題 1
次のうち同化にあたるものをすべて選べ。(ア)光合成(イ)細胞呼吸(ウ)タンパク質の合成(エ)消化
1 同化は、小さな分子から大きな分子を合成し、エネルギーを吸収する反応である。
2 光合成(二酸化炭素 + 水 → グルコース)とタンパク質の合成(アミノ酸 → タンパク質)は同化で、細胞呼吸と消化は大きな分子を分解する異化である。
▸ (ア)、(ウ)
分子が大きくなってエネルギーを吸収すれば同化、分子が小さくなってエネルギーを放出すれば異化である。細胞呼吸で放出されたエネルギーは ATP にたくわえられ、同化はその ATP を使う。
例題 2
ウイルスが生物と非生物の特徴をあわせもつ理由を、細胞と代謝の観点から説明せよ。
1 生物的な特徴:遺伝物質(DNA か RNA)をもち、宿主細胞の中でふえ、突然変異によって変異が生じて進化する。
2 非生物的な特徴:細胞の構造がなく、自分で代謝ができないので、宿主の外ではタンパク質の結晶のように存在する。
▸ 遺伝物質をもち宿主の中でふえて進化する(生物的)/細胞の構造がなく自分で代謝できない(非生物的)
判定表でウイルスを選ぶと、細胞と代謝の行が赤く、進化の行が緑になる。六つすべてをそなえていないので、生物と非生物の境界に置かれる。
総まとめ 生命現象の六つの特徴
細胞からなる・代謝・刺激への反応と恒常性・発生と成長・生殖と遺伝・適応と進化
生物は六つすべてをそなえ、非生物はその一部に見かけだけ似ている
韓国修能 類題
生命現象の特性とその例の組み合わせとして正しくないものは?
① 物質代謝 — 細胞呼吸で ATP を生成
② 刺激と反応 — 植物が光の方へ曲がる
③ 恒常性 — 体温を一定に保つ
④ 生殖と遺伝 — 親の形質が子に伝わる
⑤ 物質代謝 — 岩が風雨で削られる
▸ ⑤ 物質代謝 — 岩が風雨で削られる
1 代謝とは、生物の細胞の中で酵素がかかわって物質を合成・分解し、エネルギーが出入りすることである。
2 石が風雨で削られる風化は物理的・化学的な変化で、生命現象ではないので、⑤の組み合わせは誤りである。
🎯 試験ポイント
①細胞は生物の構造と機能の単位である
②代謝は同化(合成、エネルギー吸収)と異化(分解、エネルギー放出)からなり、酵素がかかわる
③刺激への反応と恒常性、発生と成長は、例を挙げて見分ける問題が多い
④ウイルスは細胞の構造がなく自分で代謝できないが、遺伝物質をもち、宿主の中でふえて進化する
⑤適応と進化は個体ではなく集団で、何世代もかけて起こる
最終更新 2026-10-17