seegongsik
高校1~高校2年生 (15-17歳)

生物基礎 恒常性の維持 わかりやすく

Homeostasis

恒常性とは、体温や血糖、体液の浸透圧のように、体の中の環境を一定の範囲に保とうとする性質です。 そのもとになるのは負のフィードバックで、ある値が正常からずれると、その変化を打ち消す向きに反応が起こります。 血糖が上がるとすい臓からインスリンが、下がるとグルカゴンが多く出て血糖をもとにもどし、体温は間脳の視床下部が皮膚の血管や汗、筋肉のふるえを調節して合わせます。 図では血糖を 40 mg/dL から 180 mg/dL まで変えながら、二つのホルモンの分泌量と、肝臓や体の細胞で起こることがどう変わるかを見ることができます。

恒常性とは

🌡️ 体は自分でつり合いをとる
①寒いところでは体がふるえ、暑いところでは汗が出るが、どちらも体温をもとにもどそうとする反応である
②体の中の環境(体温・血糖・pH・浸透圧)を一定の範囲に保とうとする性質を恒常性という
③恒常性はおもに負のフィードバックで保たれる。変化が起こると、その変化を小さくする向きに反応が起こる

血糖の調節

100 mg/dL
💡 血糖値を変えると
①血糖を正常な範囲より上げると、すい臓のランゲルハンス島 B 細胞からのインスリン分泌が大きく増え、A 細胞からのグルカゴン分泌はほとんど止まる
②血糖を正常より下げると、逆にグルカゴン分泌が増え、インスリン分泌は減る
③正常な範囲の中でも二つのホルモンは少しずつ出ていて、その割合が血糖をおよそ 100 mg/dL 前後に保っている
④血糖が正常にもどると分泌を引き起こした刺激がなくなり、分泌も減る。これが負のフィードバックである

恒常性の調節のしくみ

負のフィードバック
変化を感じとる → 変化を打ち消す反応 → もとの状態にもどる → 刺激がなくなり反応も弱まる
体温・血糖・浸透圧など、多くの恒常性の調節に使われるしくみ

血糖調節

インスリンとグルカゴン
項目インスリングルカゴン
分泌する細胞すい臓ランゲルハンス島 B 細胞すい臓ランゲルハンス島 A 細胞
分泌が増えるとき血糖が高いとき血糖が低いとき
はたらき血糖を下げる(グルコース → グリコーゲン、細胞のグルコース取りこみを促進)血糖を上げる(グリコーゲン → グルコース)
おもな標的器官肝臓・筋肉・脂肪組織肝臓

体温調節

体温調節

体温が上がるときと下がるときの反応
項目体温が上がるとき体温が下がるとき
皮膚の血管拡張(熱の放出を増やす)収縮(熱の放出を減らす)
汗腺発汗を増やす発汗を減らす
熱の発生代謝をおさえる筋肉のふるえ、代謝の促進
調節中枢間脳の視床下部間脳の視床下部

例題で確認

例題 1
食事のあと、血糖が 140 mg/dL に上がった。このとき分泌が増えるホルモンと、それを分泌する細胞、そのはたらきを答えよ。
1
血糖が正常な範囲(空腹時およそ 70 ~ 110 mg/dL)より高いので、血糖を下げるホルモンの分泌が増える。
2
すい臓の B 細胞からインスリンが分泌され、肝臓でグルコースをグリコーゲンに変えてたくわえさせ、体の細胞にグルコースを多くとりこませる。その結果、血糖が下がる。
▸ インスリン(すい臓 B 細胞):血糖を下げる
図で血糖を 140 にすると、インスリンの棒はほとんど満ち、グルカゴンの棒は底についている。血糖が正常にもどるとインスリンの分泌も減る。これが負のフィードバックである。
例題 2
寒いところに出たとき、体温を保つために体で起こる反応を二つ答え、調節中枢を示せ。
1
体温が下がると、熱の放出を減らし、熱の発生を増やす反応が起こる。
2
皮膚の血管が収縮して皮膚に流れる血液が減り、熱の放出が減る。また骨格筋がふるえて熱が発生する。調節中枢は間脳の視床下部である。
▸ 皮膚の血管の収縮、筋肉のふるえ/調節中枢:間脳の視床下部
体温と血糖は調節する器官こそちがうが、正常からずれた分だけ打ち消す反応を起こすという点で、同じ負のフィードバックで調節されている。

総まとめ

恒常性が保たれる道すじ
刺激 → 受容器 → 調節中枢 → 効果器 → もとの状態にもどる
負のフィードバックによって体の中の環境を一定の範囲に保つ
韓国修能 類題
ヒトの恒常性調節についての説明として正しくないものは?
①血糖が上がるとインスリンが分泌される。
②インスリンはすい臓の B 細胞から分泌される。
③体温調節の中枢は間脳の視床下部である。
④多くの恒常性は負のフィードバックで調節される。
⑤血糖が下がるとインスリンが分泌され、血糖をさらに下げる。
▸ ⑤ 血糖が下がるとインスリンが分泌され、血糖をさらに下げる。
1
血糖が低いときは、すい臓の A 細胞からグルカゴンが分泌され、肝臓のグリコーゲンをグルコースに分解して血糖を上げる。
2
インスリンは血糖が高いときに分泌が増えて血糖を下げるので、血糖が低いときにインスリンが出てさらに下げるという⑤は向きが逆である。
🎯 試験ポイント
①恒常性は、体温・血糖・pH・浸透圧など体の中の環境を一定の範囲に保つ性質である
②負のフィードバックは変化を打ち消す反応を起こし、もとの状態になるとその反応を弱める
③血糖が高いと B 細胞のインスリンが血糖を下げ、血糖が低いと A 細胞のグルカゴンが血糖を上げる
④体温調節の中枢は間脳の視床下部である
⑤糖尿病は、インスリンが足りないか、うまくはたらかないために血糖の恒常性がくずれた状態である

最終更新

このページがお役に立ったなら支援する