CLUSTER · 意味の群
言葉と文字
18 字
- 学study学ぶ
- 問question問う
- 言say言う
- 知know知る
- 名name名
- 教teach教える
- 書write書く
- 院inst院
- 号nickname号
- 話tale話す
- 面mask面
- 信faith信じる
- 何what何
- 読read読む
- 試test試す
- 語word語る
- 験verification験
- 字character字
字の話
学xué · ガク学ぶ
甲骨文字の「學」(旧字) は屋根の下に、子供(子) と両手(臼) で文字や知識を持ち上げる絵 — 「家の下で子が知識を持ち上げる = 学ぶ」という抽象概念の絵化。日本新字体「学」と中国簡体字「学」は全く同じ形 — 「学」のような頻出字は CJK 改革で偶然収束する典型例。台湾・香港は「學」を保持。
日本語の音読みは ガク — 学校(がっこう)・大学(だいがく)・学問(がくもん)・科学(かがく)・学者(がくしゃ)・哲学(てつがく)。訓読みは まな.ぶ — 学ぶ(まなぶ)。「○○学」の派生は無数 — 数学・物理学・経済学・社会学・心理学 — 近代日本が西洋の学問体系を漢字で翻訳した結果、東アジア全体の学術用語の核に。「経済学」「社会学」「哲学」は明治期日本造語の和製漢語で、中国・韓国に逆輸入された。
韓国の漢字音は「hak」 — 學校(학교)・大學(대학)・學問(학문)・科學(과학)・哲學(철학)。日本と意味重なり大。明治期の和製漢語が朝鮮近代化で大量輸入された — 韓国の「daehaksaeng(大学生)」「hakgyo(学校)」「cheolhak(哲学)」はすべて日本経由の語彙。
中国語は xué、2声 — 学(xué)・学校(xuéxiào, 学校)・学生(xuésheng, 学生)・大学(dàxué, 大学)・学习(xuéxí, 学習)。「学校」「学生」「大学」は東アジア共通の漢語だが、中国大陸では民国期に日本から逆輸入された西洋学問語彙が多数 — 「文学」「物理学」「社会学」など近代学問語の多くが日本造語。
覚え方: 屋根 + 子(現代では帽子のような形) — 家で子が学ぶ。
- 学校がっこうschool
- 学生がくせいstudent
- 大学だいがくuniversity
- 学习xuéxíto study
- 学校xuéxiàoschool
- 大学dàxuéuniversity
問wèn · モン問う
甲骨文字の「問」は門(門) + 口(口) — 「門の前で口を開いて尋ねる」絵、古代中国の城門での挨拶・尋問が字源。「聞(門 + 耳)」と完全な対称関係 — 問 = 口で尋ねる、聞 = 耳で受ける、CJK 漢字字源の優美なペア。
日本語の音読みは モン — 質問(しつもん)・問題(もんだい)・問答(もんどう)・訪問(ほうもん)・諮問(しもん、政治用語)・難問(なんもん)・疑問(ぎもん)。訓読みは と.う・と.い — 問う(とう、文語的)・問い(とい、質問)・問い合わせ(といあわせ、問い合わせ)・問屋(とんや、卸売業)。 「問題(もんだい)」 = 字義「問の題目」、英 "problem / question" の和製漢語訳、明治期の翻訳語、中国・韓国に逆輸入された CJK 共通近代用語。「問屋(とんや)」 = 卸売業、江戸時代の商業文化の名残、現代でも「問屋街(とんやがい)」(大阪船場・東京日本橋) の地名に残る。
韓国の漢字音は「mun」 — 質問(질문)・問題(문제)・問答(문답)・訪問(방문)・學問(학문、学問)・疑問(의문)。日本と意味重なり大。注意: 韓国「mun」は同音衝突激しい — 問・門・文・聞・蚊 すべて同音、文脈判断必須。
中国語は wèn、4声。簡体字「问」 — 问(wèn)・问题(wèntí, 問題)・请问(qǐngwèn, お尋ねします)・询问(xúnwèn, 尋ねる)・问候(wènhòu, 挨拶する)・学问(xuéwèn, 学問)。 中国独自 — 「请问(qǐngwèn)」 = 字義「請って問う = 失礼ですが」、中国会話の最頻出敬語 — 「请问,洗手间在哪里?(qǐngwèn, xǐshǒujiān zài nǎli? すみません、トイレはどこですか?)」、観光・道案内の核フレーズ、中国旅行で必ず最初に覚える表現。
覚え方: 門 + 口 — 門の前で口で尋ねる = 問う(聞 と対称ペア)。
- 質問しつもんquestion
- 問題もんだいproblem
- 学問がくもんscholarship
- 问题wèntíproblem
- 请问qǐngwènmay I ask
- 访问fǎngwènto visit
言yán · ゲン · ゴン言う
甲骨文字の「言」は口(口) から音(辛 → 後の発音記号) が出る絵 — 「口から発せられた音 = 言葉」の最も直接的な絵。「言」を含む字すべて(信・話・語・誌・記・訳・許 など) が「言葉・コミュニケーション」を意味する漢字字源網の中心。
日本語の音読みは ゲン・ゴン — 言語(げんご)・発言(はつげん)・宣言(せんげん)・言論(げんろん) は ゲン、無言(むごん)・伝言(でんごん) は ゴン系。訓読みは い.う・こと — 言う(いう)・言葉(ことば、字義「言の葉」)。「言葉」 = 「言の葉」 — 古典日本語で「葉」が「重なるもの」の比喩、つまり「言の葉が重なって意味になる」が日本語の言語観。中国語「语言」より詩的で、和歌・俳句の世界観に深く結びつく。
韓国の漢字音は「eon」 — 言語(언어)・發言(발언)・宣言(선언)・名言(명언)・言論(언론)。日本と意味重なる。固有語「mal(mal, 言葉)」が日常、漢字「eon」は熟語専用。注意: 韓国漢字「eon」は同音衝突 — 言・偃・嫣 など、同音多数。
中国語は yán、2声 — 言(yán, 古文寄り)・语言(yǔyán, 言語)・名言(míngyán)・言论(yánlùn, 言論)・无言(wúyán, 言葉なし)。重要: 中国語日常では「言」より「话(huà, 話)」が「言葉」 — 说话(shuōhuà, 話す)・好话(hǎohuà, 良い言葉)・坏话(huàihuà, 悪口)。「言」は古典・成語に残る — 「一言为定(yīyán wéidìng, 一言で決定する = 約束する)」のような成語。
覚え方: 口(口) から音波が出る絵 — 言葉そのものの絵。「言」を含む字はすべて言語関連。
- 言ういうto say
- 言語げんごlanguage
- 無言むごんsilence
- 语言yǔyánlanguage
- 名言míngyánfamous quote
- 言论yánlùnspeech / opinion
知zhī · チ知る
甲骨文字の「知」は矢(矢) + 口(口) — 「矢のように正確に口で言える = 知っている」の絵。古代中国の認識論で「知る = 正確に言語化できる」という条件付け、現代でも「知識」概念に直結する字源。
日本語の音読みは チ — 知識(ちしき)・知能(ちのう)・知人(ちじん)・通知(つうち)・お知らせ(おしらせ、訓+訓)・予知(よち)・知事(ちじ、都道府県知事)。訓読みは し.る — 知る(しる)・知り合い(しりあい)・物知り(ものしり、博識)・知らない(しらない)。日本社会必須 — 「通知(つうち)」「お知らせ(おしらせ)」は職場・学校・役所のあらゆる文書の核、フォーマル書面コミュニケーションの基本。
韓国の漢字音は「ji」 — 知識(지식)・知能(지능)・知人(지인)・通知(통지)・知性(지성)・無知(무지)。固有語「alda(alda, 知る)」が日常動詞、漢字「ji」は熟語。注意: 韓国「ji」は同音衝突 — 知・地・指・支 すべて同音。
中国語は zhī、1声 — 知(zhī)・知道(zhīdào, 知る)・知识(zhīshi, 知識)・通知(tōngzhī)・知名(zhīmíng, 名高い)。中国語の「知道(zhīdào)」 = 字義「道を知る」 = 「知っている」、最頻出口語動詞 — 我知道(wǒ zhīdào, 知ってます)・你知道吗?(nǐ zhīdào ma?, 知ってる?) は中国人の最頻出反応の一つ。日本語の「知っています」と意味は同じだが、字義が「道(タオ)を知る」という哲学的響きがあるのが面白い。
覚え方: 矢(矢) + 口(口) — 矢のように正確に言語化できる = 知っている。
- 知るしるto know
- 知識ちしきknowledge
- 通知つうちnotification
- 知道zhīdàoto know
- 知识zhīshiknowledge
- 通知tōngzhīto notify
名míng · メイ · ミョウ名
甲骨文字の「名」は夕(夕方) + 口(口) — 「夕方に口で呼ぶ = 名前」、古代では「日が暮れて互いの顔が見えない時に名で呼び合う」のが「名」の原義。視覚を超えた識別装置としての名前。
日本語の音読みは メイ・ミョウ — 名前(なまえ、訓+訓)・有名(ゆうめい)・名誉(めいよ)・名作(めいさく)・氏名(しめい) は メイ、本名(ほんみょう、稀)・名字(みょうじ、苗字)・大名(だいみょう) は ミョウ系で歴史用語に残る。訓読みは な — 名(な、名前)・名残(なごり)・名乗る(なのる、自分の名を告げる)。日本語の伝統的な敬語表現「お名前は?(おなまえは?)」が初対面の最重要慣用句。
韓国の漢字音は「myeong」 — 名前(명전、稀、ほぼ「ireum」)・有名(유명)・名譽(명예)・氏名(성명)・名作(명작)。固有語「ireum(ireum, 名前)」が日常、漢字「myeong」は熟語で残る。
中国語は míng、2声 — 名(míng)・名字(míngzi, 名前、軽声)・有名(yǒumíng, 有名)・名牌(míngpái, ブランド、字義「名のある牌」)・名片(míngpiàn, 名刺)。中国独自 — 「名牌(míngpái)」 = 「名のあるブランド」 = 高級ブランド、中国都市部の消費文化の中心語彙。「名片」 = 名刺、現代ビジネス必須語。
覚え方: 夕(夕方) + 口(口) — 暗くなって口で呼び合う名前。
- お名前おなまえname (polite)
- 有名ゆうめいfamous
- 姓名せいめいfull name
- 名字míngziname
- 有名yǒumíngfamous
- 姓名xìngmíngfull name
教jiào · キョウ教える
甲骨文字の「教」は爻(交わる学習) + 子(子) + 攵(手で叩く) — 「老師が棒で子供に学習を交わらせる」の絵、古代中国の体罰を伴う教育法がそのまま字源化された。3,000年前の鞭打ち教育法が漢字に残る、東洋教育文化のダークな側面。
日本語の音読みは キョウ — 教育(きょういく)・教師(きょうし)・宗教(しゅうきょう)・仏教(ぶっきょう)・教科書(きょうかしょ)・教室(きょうしつ)。訓読みは おし.える・おそ.わる — 教える(おしえる、能動)・教わる(おそわる、受動「教わる」 = 「教えてもらう」)。「教える / 教わる」 二項動詞対 — 同じ字で能動・受動を分ける日本語の特徴、「先生に教わる(受動)」と「学生に教える(能動)」の階層関係を一字で表現。
韓国の漢字音は「gyo」 — 教育(교육)・教師(교사)・宗教(종교)・佛教(불교)・教會(교회)・教科書(교과서)。日本と意味重なり大。固有語「gareuchida(gareuchida, 教える)」「baeuda(baeuda, 学ぶ・教わる)」が日常動詞、漢字「gyo」は熟語。
中国語は jiào、4声 (また jiāo、1声で動詞「教える」) — 教育(jiàoyù, 教育)・教师(jiàoshī, 教師)・宗教(zōngjiào)・佛教(Fójiào)・教会(jiàohuì, 教会)。声調分岐に注意 — 名詞「教」は4声、動詞「教える」(教书 = jiāo shū)は1声。中国独自 — 「老师(lǎoshī)」が現代中国で教師の日常呼称、「先生」は男性敬称、「教师」は職業名 — 三つの呼称使い分けが日本人を混乱させる中国語の特徴。
覚え方: 爻(学習) + 子(子) + 攵(棒で叩く) — 古代の鞭打ち教育法。
- 教えるおしえるto teach
- 教育きょういくeducation
- 教室きょうしつclassroom
- 教育jiàoyùeducation
- 教师jiàoshīteacher
- 宗教zōngjiàoreligion
書shū · ショ書く
甲骨文字の「書」は筆(聿) + 者(言葉・口) — 「筆で言葉を書く」の絵が「書く・書物」両方を意味する。中国大陸簡体字「书」は元の構造を抽象的な記号にまで簡略化した、最も激しい簡略化の一つ。日本新字体「書」は伝統字体を保持。
日本語の音読みは ショ — 書道(しょどう)・読書(どくしょ)・書類(しょるい)・図書館(としょかん)・書記(しょき)・書店(しょてん)。訓読みは か.く — 書く(かく、書く)・絵を描く(えをかく、描く・別字)。日本独自 — 「書道(しょどう)」 = 漢字を芸術として書く文化、平安時代に中国唐代から伝来し独自発展。三筆(空海・嵯峨天皇・橘逸勢) と三蹟(藤原行成・小野道風・藤原佐理) の伝統が現代まで続く。
韓国の漢字音は「seo」 — 書道(서도、または「seoye」)・讀書(독서)・書類(서류)・圖書館(도서관)・書店(서점)。日本と意味重なる。韓国の書道は「seoye(書藝)」と呼び、書の伝統が独自に発展 — 王羲之系の中国書道を吸収しつつ、ハングル書道(한글서예) という固有の発展系も。
中国語は shū、1声。簡体字「书」 — 书(shū)・书法(shūfǎ, 書道)・读书(dúshū, 読書)・书店(shūdiàn, 書店)・书包(shūbāo, ランドセル/ブックバッグ)・图书馆(túshūguǎn, 図書館)。中国の書道は「书法(shūfǎ)」 — 古代中国の最高位の芸術として、王羲之「蘭亭序」が「天下第一行書」と評される。書道の世界観は中国 → 日本 → 韓国 → ベトナムへと CJK 圏全体に伝播した東アジア文化財。
覚え方: 筆(聿) + 者(口・言葉) — 筆で言葉を書く絵が「書」。
- 書くかくto write
- 図書館としょかんlibrary
- 読書どくしょreading
- 书本shūběnbook
- 读书dúshūto read books
- 图书馆túshūguǎnlibrary
院yuàn · イン院
「院」は阜(阝・おか)が意味、完(かん)が音を担う形声字。本来は塀(阝・おかのごとく囲う壁)で完全に(完)囲った大きな家・庭 — そこから「大きな建物・院・官庁」の意が育った。左の阝は丘・塀を意味する。
音読みは イン — 訓読みは無い(音読み専用)。病院(びょういん)・入院(にゅういん)・大学院(だいがくいん)・美容院(びよういん)・寺院(じいん)。日本語の病院(びょういん)・美容院(びよういん)は発音が似て紛らわしい。
韓国の漢字音は "won" — 病院(byeong-won)・學院(hagwon)・法院(beobwon)・寺院(sawon)・大學院(daehagwon)・院長(wonjang)。大きな機関の名はほぼ~院(won)で終わる。
中国語は yuàn、4声。医院(yīyuàn)、学院(xuéyuàn)、法院(fǎyuàn)、电影院(diànyǐngyuàn, 映画館)、研究院(yánjiūyuàn)。医院(yīyuàn)は中国語日常の必須語。
覚え方: 塀(阝)で完全に(完)囲った大きな家 — 病院・学院のような院。
- 病院びょういんhospital
- 入院にゅういんhospitalization
- 医院yīyuànhospital
- 学院xuéyuàncollege
号hào · ゴウ号
甲骨文字の「號」(旧字) は号(虎の咆哮) + 虎(虎) — 「虎が吼える叫び声」が原義、後に「番号・名前・呼称」全般へ意味拡張。日本新字体「号」と中国大陸簡体字「号」は同じ簡略化、台湾・香港は「號」を保持。
日本語の音読みは ゴウ — 番号(ばんごう)・記号(きごう)・号(ごう、雑誌の何月号)・元号(げんごう、令和・平成など)・暗号(あんごう)・国号(こくごう)・年号(ねんごう)。訓読みは さけ.ぶ (稀) — 号叫(ごうきゅう、文語)。日本独自 — 「元号(げんごう)」 = 天皇の即位ごとに変わる年号、明治・大正・昭和・平成・令和、世界で唯一日本だけが現行で使う伝統暦法システム、漢字「号」が日本国家アイデンティティの一部。
韓国の漢字音は「ho」 — 番號(번호)・記號(기호)・暗號(암호)・年號(연호)・○○號(○○ho、船・列車・雑誌の名)。日本と意味重なる。「○○ho 列車」 = KTX deung 韓国鉄道の列車番号システム、「無窮花ho」(ムグンファホ) のような特急列車名。
中国語は hào、4声。簡体字「号」 — 号(hào)・号码(hàomǎ, 番号)・口号(kǒuhào, スローガン)・记号(jìhào, 記号)・编号(biānhào, 編号)。中国独自 — 「口号(kǒuhào)」 = 政治的スローガン、共産党のプロパガンダ用語として歴史的に重要、文化大革命期の壁新聞・標語の核、現代中国でも政治集会で頻出。
覚え方: 虎の咆哮 → 番号・呼称全般。
- 番号ばんごうnumber
- 信号しんごうsignal
- 年号ねんごうera name
- 号码hàomǎnumber
- 信号xìnhàosignal
- 一号yī hàofirst / number 1
話huà · ワ話す
甲骨文字の「話」は言(言葉) + 舌(舌) — 「言葉と舌 = 話す」の二重視覚化。「言」だけでは抽象的な「言葉」、「舌」を加えて発話の身体動作まで字源に。
日本語の音読みは ワ — 会話(かいわ)・電話(でんわ)・話題(わだい)・童話(どうわ)・神話(しんわ)・対話(たいわ)・世話(せわ、字義「世の話」 = 世話を焼く)。訓読みは はな.す・はなし — 話す(はなす)・話(はなし)・話し合い(はなしあい)。日本独自 — 「お世話になります(おせわになります)」 = ビジネス開始の定型句、字義「世話になる」 = 「世間の話で世話される」 = 関係構築の挨拶。日本の職場文化全体が「お世話になります」「お疲れ様です」 という定型句で動く。
韓国の漢字音は「hwa」 — 會話(회화)・電話(전화)・話題(화제)・童話(동화)・神話(신화)。日本と意味重なり大。固有語「malhada(malhada, 話す)」「iyagi(iyagi, 話)」が日常動詞・名詞、漢字「hwa」は熟語専用。
中国語は huà、4声。簡体字「话」 — 话(huà)・说话(shuōhuà, 話す)・电话(diànhuà, 電話)・笑话(xiàohua, 冗談)・听话(tīnghuà, 言うことを聞く、字義「話を聞く」)。中国独自 — 「听话(tīnghuà)」 = 「言うことを聞く・素直」、子供の躾用語として頻出 — 中国の母親が子供に「要听话!」(言うことを聞いて!)と言う、東アジア共通だが中国語の語感が最も直接的。
覚え方: 言(言葉) + 舌(舌) — 言葉と舌、発話の二重視覚化。
- 話すはなすto speak
- 会話かいわconversation
- 電話でんわtelephone
- 说话shuōhuàto speak
- 电话diànhuàtelephone
- 普通话pǔtōnghuàMandarin
面miàn · メン面
「面」は人の顔の輪郭(囗に似た縁)の中に目(目)を描いた字 — 顔の縁とその中の目で「おもて・顔」を表した。そこから「表面・側・方面・面」へ意味が広がり、顔を覆う「面(めん)」の意も生じた。
音読みは メン。訓読みは おも・おもて・つら。表面(ひょうめん)・場面(ばめん)・面接(めんせつ)・仮面(かめん)・面白い(おもしろい)。日本語の面白い(おもしろい)は本来「面(おもて)が白む=顔が明るくなる」から来た語。
韓国の漢字音は "myeon" — 表面(pyomyeon)・場面(jangmyeon)・方面(bangmyeon)・假面(gamyeon)・面接(myeonjeop)・側面(cheungmyeon)・體面(chemyeon)。韓国の行政単位面(myeon, 郡の下)もこの字。
中国語は miàn、4声。面包(miànbāo, パン)、面条(miàntiáo, 麺)、见面(jiànmiàn, 会う)、方面(fāngmiàn)、表面(biǎomiàn)、面子(miànzi, 面子)。簡体で麵(粉・麺)が面に合し、現代中国語の面は「顔・面」と「粉・麺」の両義を持つ — 面包(パン)、拉面(ラーメン)。
覚え方: 顔の縁の中の目(目) — おもてから表面・方面へ。
- 面接めんせつinterview
- 面白いおもしろいinteresting
- 见面jiànmiànto meet
- 面包miànbāobread
信xìn · シン信じる
甲骨文字の「信」は人(亻) + 言(言) — 「人の言葉 = その人そのもの = 信頼」。古代中国の儒教倫理で「言葉」は人格と直結し、「言ったことを必ず守る」 = 「信」、最も古い徳目の一つ。論語「人にして信無くんば、其の可なるを知らず(子曰: 人而無信、不知其可也)」 — 信無き人は社会で機能不全、と孔子が説いた。
日本語の音読みは シン (常用訓読みは慣用なし) — 信用(しんよう)・信頼(しんらい)・通信(つうしん)・信号(しんごう)・自信(じしん)・確信(かくしん)。日本語は「信」を行動と直結 — 「信号(しんごう)」は字義「信頼の号」 = 交通信号機。明治期の和製漢語で、信号機制度を「信号」として漢字化した、近代化と漢字の融合事例。
韓国の漢字音は「sin」 — 信用(신용)・信賴(신뢰)・通信(통신)・信號(신호)・自信(자신)。日本と意味重なり大。注意: 韓国漢字「sin」は同音衝突激しい — 信・身・神・新・臣 すべて同音、文脈判断必須。日本語のように細かい同音区別は必要。
中国語は xìn、4声 — 信(xìn)・信任(xìnrèn, 信任)・信仰(xìnyǎng, 信仰)・通信(tōngxìn, 通信)・自信(zìxìn, 自信)。中国独自 — 「信」一字で「手紙」の意味も — 写信(xiě xìn, 手紙を書く)、来信(láixìn, 受信した手紙)。日本語の「手紙」「便り」と異なる中国語の用法、「信」が「言葉を運ぶもの = 手紙」へ拡張した中国語の語感。
覚え方: 人(亻) + 言(言) — 人の言葉が「信頼」そのもの。論語の徳目。
- 信号しんごうsignal / traffic light
- 信頼しんらいtrust
- 通信つうしんcommunication
- 相信xiāngxìnto believe
- 信任xìnrèntrust
- 信用xìnyòngcredit
何hé · カ何
甲骨文字の「何」は人(亻) + 可(こ、運ぶ) — 「人が何かを担ぐ姿」が原義、「担ぐもの = 何?」と疑問が派生した字源。古代では「荷(に)」(同じく担ぐ)と兼用だったが、後に「何 = 疑問」、「荷 = 物理的な荷物」に分化した。
日本語の音読みは カ — 何点(かてん、稀)・幾何学(きかがく)。訓読みは なに・なん の二系統 — 「何(なに)」と「何(なん)」の使い分けが日本語学習者を悩ませる第一級の難所。原則: T・D・N で始まる助詞前は「なん」 — 何(なん)ですか・何(なん)時・何(なん)台・何(なん)で。それ以外は「なに」 — 何(なに)を・何(なに)が・何(なに)も。例外多数で完全な規則化は不可能、多読で身体感覚で覚えるしかない。
韓国の漢字音は「ha」 — 幾何學(기하학)・何如(하여、いかに、文語)。固有語「mueos(mueot, 何)」「mwo(mwo, 何)」が日常で圧倒的勝者、漢字「ha」はほぼ熟語専用。
中国語は hé、2声 — 何(hé, 何、文語)・几何(jǐhé, 幾何学)・任何(rènhé, いかなる)・为何(wèihé, なぜ)。中国語の現代日常では「什么(shénme)」が「何」の日常語、漢字「何」は文語・成語に残る。中国の口語と書面語のレジスター差が大きい字 — 中国詩や成語では「何」が頻出、日常会話では「什么」が圧倒。
覚え方: 人(亻) + 可(運ぶ) — 「人が担ぐもの = 何?」の疑問。
- 何なにwhat
- 何時なんじwhat time
- 何人なんにんhow many people
- 何时héshíwhen
- 任何rènhéany
- 为何wèihéwhy
読dú · ドク · トク読む
甲骨文字の「讀」(旧字) は言(言葉) + 賣(声を出す) — 「言葉を声に出して読む」が古代の読書観。古代では「黙読」より「音読」が普通で、「読む = 声に出す」が直接結びついた字源。中国大陸簡体字「读」と日本新字体「読」は同じ簡略化方針。
日本語の音読みは ドク・トク — 読書(どくしょ)・読者(どくしゃ)・速読(そくどく)・音読(おんどく) は ドク、読本(とくほん)・読点(とうてん) は トク。訓読みは よ.む — 読む(よむ)・読み方(よみかた)・読み手(よみて)。日本語の漢字読法システム自体に「読」が組み込まれている — 「音読み(おんよみ)」 = 漢字の中国語由来の発音、「訓読み(くんよみ)」 = 大和言葉を漢字に当てた発音、この区分用語に「読」自身が登場する自己言及的構造。
韓国の漢字音は「dok」 — 讀書(독서)・讀者(독자)・速讀(속독)・讀解(독해)・購讀(구독、定期購読)。日本と意味重なる。固有語「ikda(ikda, 読む)」が日常動詞、漢字「dok」は熟語。
中国語は dú、2声。簡体字「读」 — 读(dú)・读书(dúshū, 読書)・阅读(yuèdú, 閲読)・朗读(lǎngdú, 朗読)。中国独自 — 「读书」は字義「本を読む」だが、現代中国語では「学校に通う・勉強する」全般を指す — 「他在北大读书(tā zài Běidà dúshū, 彼は北京大学で読書している)」 = 「北京大学に在学している」。「読書」が「在学」に意味拡張する中国語独自の用法。
覚え方: 言(言葉) + 賣(声を出す) — 古代の音読文化が字源に。
- 読むよむto read
- 読書どくしょreading
- 読解どっかいreading comprehension
- 读书dúshūto read books
- 阅读yuèdúreading
- 读者dúzhěreader
試shì · シ試す
甲骨文字の「試」は言(言葉) + 式(様式) — 「決まった様式で言葉を試す = 試験する」が原義、古代中国の科挙制度由来の字源。
日本語の音読みは シ — 試験(しけん)・試合(しあい、訓+音)・試食(ししょく)・試着(しちゃく)・試運転(しうんてん)・面接試験(めんせつしけん)。訓読みは ため.す・こころ.みる — 試す(ためす)・試み(こころみ、試み)・試みる(こころみる)。 「試合(しあい)」 = スポーツの試合・競技、字義「試 + 合(合わせる)」 = 「実力を試し合う」、明治期に英 "match / game" の和製漢語訳、近代スポーツ文化の核言葉、現代では中国・韓国に逆輸入された(中文では「比赛」が日常勝者だが、武道では「试合」も使う)。
韓国の漢字音は「si」 — 試驗(시험)・試合(시합)・試食(시식)・試着(시착)・試圖(시도、試み)。日本和製漢語「試合・試食・試着」が韓国にもそのまま継承。
中国語は shì、4声。簡体字「试」 — 试(shì)・考试(kǎoshì, 試験)・尝试(chángshì, 試みる)・面试(miànshì, 面接)・试用(shìyòng, 試用)。 「面试(miànshì)」 = 字義「面と試 = 面接試験」、就職・大学入試・ビザ申請など現代中国社会で頻出、漢字「試」が中国近代化の選抜試験文化の核。
覚え方: 言(言葉) + 式(様式) — 様式に従って言葉で試す = 試験。
- 試験しけんexamination
- 試合しあいmatch / game
- 試すためすto try
- 考试kǎoshìexam
- 试验shìyànexperiment
- 试图shìtúto attempt
語yǔ · ゴ語る
「語」は言(ことば)が意味、吾(われ)が音を担う形声字。言(言)をやり取りして語ること — そこから「語・言語・語る」の意が生じた。吾は「yu/go」の音を貸す。
簡体字は语で、言が讠(ごんべん)に減った — モードで字形が分かれる。
音読みは ゴ。訓読みは かた.る。言語(げんご)・日本語(にほんご)・単語(たんご)・物語(ものがたり)・語学(ごがく)。日本語で言語名は皆~語(ご) — 英語(えいご)・中国語(ちゅうごくご)のように。
韓国の漢字音は "eo" — 言語(eoneo)・國語(gugeo)・單語(daneo)・外國語(oegugeo)・語彙(eohwi)・論語(Noneo)。孔子の教えを集めた論語の語がこれ。
中国語は yǔ、3声(語)・yù、4声(告げる)。语言(yǔyán)、汉语(Hànyǔ)、英语(Yīngyǔ)、成语(chéngyǔ)、语法(yǔfǎ)。一字二声 — 「告げる」はyù(4声)。
覚え方: 言(言)を吾(吾)と汝がやり取り — 互いに語る言語。
- 日本語にほんごJapanese language
- 物語ものがたりtale, story
- 语言yǔyánlanguage
- 汉语HànyǔChinese language
験yàn · ケン験
甲骨文字の「驗」(旧字) は馬(馬) + 僉(集まる) — 「馬を集まって検査する」が原義、古代の馬市場の品質検査が字源。日本新字体「験」と中国大陸簡体字「验」は別方向の簡略化。
日本語の音読みは ケン — 試験(しけん)・実験(じっけん)・経験(けいけん)・受験(じゅけん)・体験(たいけん)・霊験(れいげん、神仏の効験)。訓読みは ため.す (稀)。 「受験(じゅけん)」 = 「試験を受ける」、日本人生の象徴イベント — 中学受験・高校受験・大学受験 — 「受験戦争」「受験勉強」「予備校」「赤本」「青チャート」「センター試験 → 共通テスト」、漢字「験」が日本教育文化の重みを担う。「経験(けいけん)」 = 体験的学習、日本ビジネス・人生哲学の中心概念、和製漢語として中国・韓国に逆輸入。
韓国の漢字音は「heom」 — 試驗(시험)・實驗(실험)・經驗(경험)・受驗(수험)・體驗(체험)。日本と意味重なり大。「suneung(修能、修学能力試験)」 = 韓国大学入試、日本「センター試験」、中国「高考」と並ぶ東アジア人生決定試験。
中国語は yàn、4声。簡体字「验」 — 验(yàn)・实验(shíyàn, 実験)・经验(jīngyàn, 経験)・体验(tǐyàn, 体験)・检验(jiǎnyàn, 検査)・化验(huàyàn, 化学検査)。中国独自 — 「化验(huàyàn)」 = 病院での血液・尿などの臨床検査、現代中国医療の必須語彙。「经验」「体验」「实验」 など近代和製漢語「~験」が中国現代学術用語の核。
覚え方: 馬(馬) + 僉(集まる) — 馬を集まって検査 → 「試験・実験」抽象。
- 試験しけんexamination
- 経験けいけんexperience
- 受験じゅけんtaking an exam
- 试验shìyànexperiment
- 经验jīngyànexperience
字zì · ジ字
甲骨文字の「字」は屋根(宀) + 子(子) — 「家の下で生まれた子」が原義、後に「文字」の意味に拡張した。古代中国で「字」は本来「成人になった男子に与えられる雅号(あざな)」、「名前」と区別される人格的呼び名だった。文字は「家から生まれて育つもの」 = 漢字の有機的世界観。
日本語の音読みは ジ — 漢字(かんじ)・文字(もじ・もんじ、二重読み)・数字(すうじ)・字幕(じまく)・名字(みょうじ)・苗字(みょうじ)。訓読みは あざ — 字(あざ、地名の小区分単位)・大字(おおあざ、字より大きい)・字義(じぎ)。日本独自の用法 — 地名表記の「字○○」は明治期の地番改革で生まれた、農村住所の最小単位。「ふるさとは字鈴鹿」のような表現は明治日本農村の名残。
韓国の漢字音は「ja」 — 漢字(한자)・文字(문자)・名字(명자)・字源(자원)・字幕(자막)。注意: 韓国語「ja」は同音衝突激しい — 字・者・自・子・椅 すべて同音、文脈判断必須。
中国語は zì、4声 — 字(zì, 字)・汉字(Hànzì, 漢字)・名字(míngzi, 名前)・字典(zìdiǎn, 字典)・字母(zìmǔ, アルファベット、字義「字の母」)。「漢字(Hànzì)」 = 「漢民族の文字」、CJK 全体の文字体系の総称。日本の「漢字(かんじ)」、韓国の「hanja」、ベトナムの「Chữ Hán」(廃止) — 漢字圏の共通アイデンティティ語彙。
覚え方: 屋根 + 子 — 家で生まれた子が、後に「文字」の意味に。
- 漢字かんじkanji
- 文字もじletter / character
- 字幕じまくsubtitles
- 汉字HànzìChinese characters
- 写字xiězìto write characters
- 字典zìdiǎndictionary