CLUSTER · 意味の群
数
32 字
- 分part分ける
- 万ten-thousand万
- 代substitute代わる
- 全whole全て
- 体body-2体
- 番turn番
- 百hundred百
- 和harmony和
- 世generation世
- 個individual個
- 数number数
- 記scribe記す
- 千thousand千
- 向yonder向く
- 引pull引く
- 無nothingness無い
- 算calculate算
- 毎every毎
- 半half半
- 頭head-2頭
- 谷valley谷
- 玉jewel玉
- 八eight八
- 五five五
- 四four四
- 九nine九
- 一one一
- 七seven七
- 六six六
- 十ten十
- 三three三
- 二two二
字の話
分fēn · ブン · フン · ブ分ける
甲骨文字の「分」は刀(刀) + 八(分かれる) — 「刀で物を二つに分ける」 = 分割。「八」が元々「分ける」の意味だったから「分」 = 「分の意味の強調形」 という字源の入れ子構造。
日本語の音読みは ブン・フン・ブ の三系統 — 分類(ぶんるい)・部分(ぶぶん) は ブン、五分(ごふん、5分間)・三分の一(さんぶんのいち) は フン、分厚い(ぶあつい)・三分(さんぶ、3割) は ブ。同じ字が三つの音で読まれる、日本語の中で最も多重音の字の一つ。訓読みは わ.ける・わ.かれる・わ.かる — 分ける(わける)・分かれる(わかれる)・分かる(わかる)。「分かる(わかる)」 = 「物事が分割されて見える = 理解する」の語源、日本語の認知比喩そのもの。
韓国の漢字音は「bun」 — 分類(분류)・部分(부분)・三分(삼분、3分)・分明(분명、明確に)・氣分(기분、気分)。意味重なる。「bun」は同音衝突 — 分・粉・憤・噴 同音、文脈判断必須。
中国語は fēn、1声 — 分(fēn)・分钟(fēnzhōng, 分間)・分别(fēnbié, 区別)・分手(fēnshǒu, 別れる、字義「手を分かつ」)。中国独自 — 「分手」が恋愛の「別れる」を指す常用語 — 日本語の「別れる」、韓国の「heeojida」と異なる、中国語独自の身体メタファー(手を分かつ = 別離)。
覚え方: 刀(刀) + 八(分ける) — 刀で物を分ける絵。
- 三分さんぷんthree minutes
- 分析ぶんせきanalysis
- 分かるわかるto understand
- 分钟fēnzhōngminute
- 部分bùfènpart
- 分类fēnlèiclassify
万wàn · マン · バン万
甲骨文字の「萬」(旧字) はサソリの絵 — 「数えきれない多さ」を象徴する動物が借用されて「10,000」、後に「無数」の意味に拡張。日本新字体「万」は中国大陸簡体字「万」と同じ簡略化、台湾・香港は「萬」を保持。
日本語の音読みは マン・バン — 一万(いちまん)・万年(まんねん)・万事(ばんじ、すべてのこと) は マン・バン分業、万歳(ばんざい、祝い叫び) は バン系。訓読みは よろず — 万(よろず、すべての)・万屋(よろずや、何でも屋)・八百万(やおよろず)。 「八百万の神(やおよろずのかみ)」 = 神道の「無数の神々」、字義「八百×万 = 800万 = 無数」、日本固有信仰の核 — 山・川・木・石・道具まで万物に神が宿るという日本的多神教観、宮崎駿『千と千尋の神隠し』が世界に紹介した日本のスピリチュアリティ。
韓国の漢字音は「man」 — 一萬(일만)・萬年(만년)・萬事(만사)・萬國(만국)・萬歲(만세、独立記念日の万歳三唱)。「3·1独立運動(1919)」での「daehan dokrip manse!」(韓国独立万歳!) は韓国近代史の象徴的叫び、漢字「man」一字に植民地解放の歴史。
中国語は wàn、4声。簡体字「万」 — 万(wàn)・一万(yīwàn)・万岁(wànsuì, 万歳)・万国(Wànguó)・成千上万(chéngqiān shàngwàn)・万里长城(Wànlǐ Chángchéng, 万里の長城)。 「万里长城」 = 字義「万里に及ぶ長城」(実際は約2万km)、世界遺産・中国の最大のシンボル、漢字「万」が中国土木工事のスケールを象徴。
覚え方: サソリの絵 → 「無数」の象徴 → 10,000の数字。
- 一万いちまんten thousand
- 万歳ばんざいbanzai / hurrah
- 万年筆まんねんひつfountain pen
- 万岁wànsuìlong live
- 百万bǎiwànmillion
- 万一wànyījust in case
代dài · ダイ · タイ代わる
「代」は人(亻)が意味、弋(よく・くい)が音を担う形声字。一人が他者に「代わる・替える」が本義。人が代わり代を継ぐことから「世代・時代・代」の意が育った。
音読みは ダイ・タイ。訓読みは か.わる・よ・しろ。時代(じだい)・代表(だいひょう)・交代(こうたい, タイと読む例)・身代わり(みがわり)・千代(ちよ)。日本語の千代(ちよ)は「千世代=永遠」の意で、君が代(国歌)にも出る。
韓国の漢字音は "dae" — 代身(daesin)・時代(sidae)・世代(sedae)・代表(daepyo)・交代(gyodae)・現代(hyeondae)。王朝の一「代」を数える単位、また年齢の代(20代・30代)も指す。
中国語は dài、4声。代表(dàibiǎo)、时代(shídài)、现代(xiàndài)、代替(dàitì)、古代(gǔdài)、交代(jiāodài, 引き継ぐ・説明する)。朝代(cháodài, 王朝)のように歴史区分に用いる。
覚え方: 人(亻)が他者を代わる — 代わり継ぐ世代。
- 時代じだいera
- 交代こうたいtaking turns
- 代表dàibiǎorepresentative
- 现代xiàndàimodern
全quán · ゼン全て
「全」は入(いる)と玉(王の形・たま)が合わさった字と解される — 傷なき玉(玉)を屋根(入)の下に具えること、すなわち「全き・完全・すべて」の意。瑕なき玉のごとく欠けなく具わった状態を指す。
音読みは ゼン。訓読みは まった.く・すべ.て。全部(ぜんぶ)・全体(ぜんたい)・安全(あんぜん)・全国(ぜんこく)・全て(すべて)。全て(すべて)・全く(まったく)で日常毎日使う。
韓国の漢字音は "jeon" — 全體(jeonche)・完全(wanjeon)・安全(anjeon)・全部(jeonbu)・全國(jeon-guk)・健全(geonjeon)。「全く・すべて」を意味する最も普通の字。
中国語は quán、2声。全部(quánbù)、安全(ānquán)、完全(wánquán)、全国(quánguó)、全家(quánjiā)。
覚え方: 瑕なき玉(玉)を屋根(入)の下に全く具える — 欠けなくすべて。
- 全部ぜんぶall
- 安全あんぜんsafety
- 全部quánbùall
- 安全ānquánsafety
体tǐ · タイ · テイ体
「體」は本来、骨(ほね)に豊(れい)を加えた字で、骨と肉の備わった「からだ」が本義(23画)。新字体・簡体では人(亻)に本(もと)を加えた体に大きく減った — 「人の本(もと)が体」という解釈が新形にぴたり合う。
ゆえに字形が分かれる。繁体(ko・en・es)は體、新字体(ja)・簡体(zh)は体 — 画数が大きく異なる(體23画 vs 体7画)。
音読みは タイ・テイ。訓読みは からだ。体(からだ)・身体(しんたい)・全体(ぜんたい)・体育(たいいく)・体裁(ていさい, テイと読む例)。日本語で物体はぶったい(buttai)と促音化する。
韓国の漢字音は "che" — 身體(sinche)・體育(cheyuk)・全體(jeonche)・物體(mulche)・體驗(cheheom)。韓国は繁体の體を用いる。
中国語は tǐ、3声。身体(shēntǐ)、体育(tǐyù)、体验(tǐyàn)、具体(jùtǐ)、体重(tǐzhòng)。
覚え方: 人(亻)の本(本)がすなわち体 — 繁体は骨(骨)、新字体は人の本(もと)。
- 身体しんたいbody
- 体育たいいくphysical education
- 身体shēntǐbody
- 具体jùtǐconcrete
番fān · バン番
甲骨文字の「番」は釆(分ける) + 田(田畑) — 「田畑に残る足跡 = 順序・番号」、古代の農作業で誰がどの田を担当するかの順番が字源。「番」 = 順序・番組・当番・番地。
日本語の音読みは バン — 番組(ばんぐみ、TV 番組)・番号(ばんごう)・番地(ばんち、住所の番地)・当番(とうばん)・順番(じゅんばん)・先輩(せんぱい)・第○番(だいばん)。訓読みは慣用なし。 日本独特 — 「交番(こうばん)」 = 都市の地区警察小支所、字義「交替して番をする場所」、英語にも "kōban" として外来語化、世界の警察システムにおける日本独自の地域密着モデル。観光客が道に迷ったら最初に頼る場所、東京・大阪の街角の象徴的存在。
韓国の漢字音は「beon」 — 番號(번호)・順番(순번)・當番(당번)・番地(번지)。日本と意味重なる。固有語「charye(charye, 順番)」が日常勝者、漢字「beon」は熟語。
中国語は fān, fán の二音 — 番(fān, 回数の量詞)・第一番(dì-yī fān)・三番五次(sān fān wǔ cì, 何度も)・番茄(fānqié, トマト、字義「外来の茄子」)・番薯(fānshǔ, サツマイモ、字義「外来の薯」)。中国独自 — 「番(fān)」が「外来・異国」の意味の接頭辞 — 「番」 = 古代中国で異族・外国を指した言葉から派生、現代でも 番茄(トマト・南米原産)・番薯(サツマイモ・南米原産) のように、外来植物に「番」を冠する。
覚え方: 釆(分ける) + 田(田) — 田畑の足跡 → 順番。
- 一番いちばんbest / number one
- 番号ばんごうnumber
- 順番じゅんばんturn / order
- 番号fānhàonumber / designation
- 一番yìfānone round / once
- 番茄fānqiétomato
百bǎi · ヒャク · ビャク百
甲骨文字の「百」は「白」 + 一 — 「白(明らかな多さ) + 一(基本数)」が「百」の原義。古代では「百 = 非常に多い」の意味で使われ、後に「100」という具体的数値に固定。
日本語の音読みは ヒャク・ビャク — 百(ひゃく)・百年(ひゃくねん)・百貨店(ひゃっかてん)・百姓(ひゃくしょう、農民) は ヒャク、百千鳥(ももちどり、和歌の表現)・百日紅(さるすべり、植物名) は ビャク・もも系の古典読み。訓読みは もも — 百千(ももち)・百足(むかで、訓+訓)。日本独自 — 「八百屋(やおや)」 = 字義「八百種の店」 = 青果店、800という具体数ではなく「多種類の野菜・果物を扱う店」、江戸時代の商業文化の名残。「八百万の神」と同じく「八百」が「無数」の意味で使われた古典慣用。
韓国の漢字音は「baek」 — 百(백)・百貨店(백화점)・百姓(백성、人民)・百年(백년)・百折不屈(백절불굴)。固有語「on(on, ~全部)」が古語で残る。
中国語は bǎi、3声 — 百(bǎi)・百货(bǎihuò, 百貨)・百分之(bǎi fēn zhī, パーセント)・百姓(bǎixìng, 庶民)・一百(yìbǎi, 100)。中国独自 — 「百姓(bǎixìng)」 = 一般庶民、字義「百の姓 = 様々な姓を持つ人々」、古代中国で皇族・貴族以外の人々を指した言葉、現代でも社会階層用語として頻用。
覚え方: 一 + 白 — 古代「非常に多い」の象徴 → 「100」に固定。
- 百年ひゃくねんa hundred years
- 三百さんびゃくthree hundred
- 百貨店ひゃっかてんdepartment store
- 百分bǎifēnpercent
- 百货bǎihuògeneral merchandise
- 老百姓lǎobǎixìngcommon folk
和hé · ワ · オ和
「和」は禾(いね)が音、口(くち)が意味を担う形声字。本来は多くの人の口(口)から出る声がよく和すること — そこから「和らぐ・和やか・調う・平和」の意が育った。多くの声が等しく和音をなすことに始まる。
音読みは ワ・オ。訓読みは やわ.らぐ・なご.む。平和(へいわ)・調和(ちょうわ)・和風(わふう)・和食(わしょく)・昭和(しょうわ)。日本で和(わ)は「日本そのもの」を指す語となった — 和服(わふく)・和室(わしつ)・大和(やまと)。和が日本を意味するのは、日本の古名倭(わ)を良い意の和に改めて書いたことに始まる。
韓国の漢字音は "hwa" — 平和(pyeonghwa)・調和(johwa)・和睦(hwamok)・和解(hwahae)・溫和(onhwa)・共和國(gonghwaguk)。東アジア思想で和は争いなく和すことを意味する核心の価値。
中国語は hé、2声(和す・〜と)・huo、軽声(練る・暖かい)。和平(hépíng)、和谐(héxié)、温和(wēnhé) / 我和你(wǒ hé nǐ, 私と君=「と」の接続詞)。現代中国語で和は「そして・〜と」の接続詞として毎日使う。
覚え方: 多くの口(口)の声が禾(禾)のごとく等しく和す — 和睦と平和。
- 平和へいわpeace
- 和食わしょくJapanese cuisine
- 和平hépíngpeace
- 和谐héxiéharmony
世shì · セイ · セ世
「世」は十(じゅう)三つを連ねた形から出たとの説が有力 — 十が三つで三十(三十)、一世代(世代)を約三十年と見たことから「世代・代・世・時代」の意が育った。一世代が流れる時がすなわち世。
音読みは セイ・セ。訓読みは よ。世界(せかい, セと読む例)・世紀(せいき)・世間(せけん)・出世(しゅっせ)・世の中(よのなか)。日本語の世の中(よのなか)・世間(せけん)で「世」を指す。
韓国の漢字音は "se" — 世界(segye)・世上(sesang)・世代(sedae)・世紀(segi)・出世(chulse)・別世(byeolse)・亂世(nanse)。先に見た代と合わせ世代をなす。
中国語は shì、4声。世界(shìjiè)、世纪(shìjì)、世代(shìdài)、去世(qùshì, 亡くなる)、世故(shìgù)。世界(shìjiè)は中国語日常の最頻出語。
覚え方: 十(十)三つを連ねた三十年、一世代 — 世代が流れて世となる。
- 世界せかいworld
- 世間せけんsociety
- 世界shìjièworld
- 世纪shìjìcentury
個gè · コ · カ個
甲骨文字の「個」は人(亻) + 固(固い・確固) — 「一人ひとり、確固として独立した存在」が「個」の原義。中国大陸簡体字「个」は人と十字に大幅簡略化、日本新字体「個」は伝統字体保持、台湾・香港も「個」を保持。
日本語の音読みは コ・カ — 個人(こじん)・個別(こべつ)・個体(こたい)・個性(こせい)・個数(こすう)・一個(いっこ)・三個(さんこ)。訓読みは慣用なし。 「個人(こじん)」 = 字義「個の人 = 独立した一人」、明治期の西洋哲学翻訳で「individual」の訳語として作られた和製漢語、東アジア全体に広がった近代社会科学の核概念。「個性(こせい)」 = "personality" の和製漢語訳、現代教育・心理学の中心概念。
韓国の漢字音は「gae」 — 個人(개인)・個別(개별)・個體(개체)・個性(개성)・gae(gae、個 — もの・個の量詞、一個=han gae)。日本と意味重なり大。「gae」は固有語のように同化、「han gae・du gae・se gae」のように物を数える時の量詞、漢字音が固有語的に同化した稀有な例。
中国語は gè、4声。簡体字「个」 — 个(gè)・个人(gèrén, 個人)・一个(yīge)・每个(měige, それぞれ)・这个(zhège, これ)・那个(nàge, あれ)。 「个」 = 中国語最頻出の量詞 — ほぼすべての名詞を数える万能量詞 — 一个人(一人)・一个苹果(リンゴ1個)・一个问题(問題1つ)、中国語学習者が最初に覚える量詞、英語の "a / one" に近い使用頻度。
覚え方: 人(亻) + 固(固い) — 確固として独立した一人。
- 一個いっこone piece
- 個人こじんindividual
- 個性こせいindividuality
- 一个yígeone (counter)
- 这个zhègethis
- 几个jǐgehow many
数shù · スウ · ス数
「數」(繁体)は攴(ぼく・手に棒を持つ動作)が意味、婁(る)が音を担う字。手で一つ一つ数える動作から「数える・数」の意が生じた。新字体・簡体は左を減らして数と書く。
ゆえに字形が分かれる。繁体(ko・en・es)は數、新字体(ja)・簡体(zh)は数 — モードで異なる。
音読みは スウ・ス。訓読みは かず・かぞ.える。数(かず)・数学(すうがく)・数字(すうじ)・人数(にんずう)・手数(てすう)。寿司の数を数えるときのその数。
韓国の漢字音は "su" — 數學(suhak)・數字(sutja)・點數(jeomsu)・複數(boksu)・無數(musu)・運數(unsu)。數は「運・運命」の意も持つ — 數が尽きた(運が尽きた)。韓国は繁体の數を用いる。
中国語は shù、4声(数)・shǔ、3声(数える)・shuò、4声(しばしば)。数字(shùzì)、数学(shùxué)、数据(shùjù, データ)、数一数(shǔ yī shǔ, 数えてみる)。一字三声 — 「数える」はshǔ(3声)、「数」はshù(4声)。
覚え方: 手に棒(攴)を持ち一つ一つ数える — 数える動作から数が出る。
- 数学すうがくmathematics
- 人数にんずうnumber of people
- 数字shùzìdigit
- 数学shùxuémathematics
記jì · キ記す
「記」は言(ことば)が意味、己(おのれ)が音を担う形声字。言(言)を文字に記して残すこと — すなわち「記す・記録する・記憶する」。己は「ji/ki」の音を貸す。
簡体字は记で、言が讠(ごんべん)に減った — モードで字形が分かれる。
音読みは キ。訓読みは しる.す。記録(きろく)・記憶(きおく)・日記(にっき)・記者(きしゃ)・暗記(あんき)。古事記(こじき)のその記。
韓国の漢字音は "gi" — 記錄(girok)・記憶(gieok)・日記(ilgi)・記者(gija)・暗記(amgi)・登記(deunggi)。新聞の記事(きじ)のその字。
中国語は jì、4声。记录(jìlù)、记忆(jìyì)、日记(rìjì)、记者(jìzhě)、记得(jìde, 覚えている)、笔记(bǐjì, ノート)。记不住(jìbuzhù, 覚えられない)のように日常で頻用。
覚え方: 言(言)を己(己)の手で記して残す — 言ったことを文字に記録する。
- 記録きろくrecord
- 日記にっきdiary
- 记录jìlùrecord
- 记者jìzhějournalist
千qiān · セン千
甲骨文字の「千」は人(人) + 一(一) — 「一人を千人に掛けた」抽象的数字記号。古代中国の十進法で「千 = 1,000」、後に「非常に多い」の比喩に拡張。
日本語の音読みは セン — 千年(せんねん)・三千(さんぜん)・千万(せんまん)・千客万来(せんきゃくばんらい)。訓読みは ち — 千歳(ちとせ、千年)・千鳥(ちどり、鳥の名)・千葉(ちば、地名・苗字)・千姫(せんひめ、徳川家の姫君)。日本独自 — 「千葉県」 = 字義「千の葉」、関東地方の県名、苗字としても多い。「千歳(ちとせ)」 = 千年・長寿の祝い、北海道千歳市・空港名にもなった、長寿を願う伝統的な日本語。
韓国の漢字音は「cheon」 — 千年(천년)・三千(삼천)・千萬(천만)・千手觀音(천수관음)。注意: 韓国「cheon」は同音衝突激しい — 千・天・川・泉 すべて同音、文脈判断必須。
中国語は qiān、1声 — 千(qiān)・千万(qiānwàn, 千万・どうしても~するな)・三千(sānqiān)・千年(qiānnián)・成千上万(chéngqiān shàngwàn, 何千何万)。中国独自 — 「千万(qiānwàn)」 = 「絶対~するな・どうしても」 の強調副詞、「千万别去(qiānwàn bié qù, 絶対行くな)」のように使う、字義「千・万」が緊急性を表す中国語独特の用法。
覚え方: 人 + 一(数の積算) — 一人を千人に掛けた抽象的記号。
- 千円せんえん1000 yen
- 千年せんねんa thousand years
- 千鳥ちどりplover
- 千万qiānwànten million
- 千克qiānkèkilogram
- 一千yìqiānone thousand
向xiàng · コウ向く
「向」は家(宀)の壁に空いた窓(口)を描いた字 — 本来は北向きの明かり取り窓が本義。窓がどちらを向いて空いているかから「向く・方向・側」の意が育った。家に空いた窓の向きがすなわち向。
音読みは コウ。訓読みは む.く・む.かう・む.こう。方向(ほうこう)・向上(こうじょう)・傾向(けいこう)・向く(むく)・向こう(むこう)。向かう(むかう)は日本語日常の必須語。
韓国の漢字音は "hyang" — 方向(banghyang)・向上(hyangsang)・傾向(gyeonghyang)・趣向(chwihyang)・意向(uihyang)・動向(donghyang)。先に見た方と合わせ方向をなす。
中国語は xiàng、4声。方向(fāngxiàng)、向前(xiàngqián)、一向(yíxiàng, ずっと)、向往(xiàngwǎng, 憧れる)、偏向(piānxiàng)。また「~に向かって・~に」の前置詞でも用いる — 向他学习(彼に学ぶ)。
覚え方: 家(宀)に空いた窓(口)の向く側 — 窓が向いた方向。
- 方向ほうこうdirection
- 向こうむこうthe other side
- 方向fāngxiàngdirection
- 一向yíxiàngall along
引yǐn · イン引く
「引」は弓に一本のまっすぐな縦画(丨)を加えた字 — 弓のつるを後ろへ引く動作を描く。そこから「引く・導く」の意となった。縦画はつるを引く手の向き。
音読みは イン。訓読みは ひ.く。引く(ひく, 引く・引き算する)・割引(わりびき)・引退(いんたい)・引っ越し(ひっこし)。日本語の ひく は、引く・導く・(辞書を)引く・(風邪を)引く まで幅広い。
韓国の漢字音は "in" — 引力(illyeok, 引き寄せる力)・引用(inyong)・割引(harin)・牽引(gyeonin)。物理の引力もこの字。
中国語は yǐn、3声。引起(yǐnqǐ, 引き起こす)・引导(yǐndǎo, 導く)・吸引(xīyǐn, 引きつける)・引用(yǐnyòng, 引用)。万有引力(wànyǒu yǐnlì)はニュートンの万有引力。
覚え方: 弓のそばにまっすぐ引く線(丨) — つるを後ろへ引く力。
- 割引わりびきdiscount
- 引退いんたいretirement
- 吸引xīyǐnto attract
- 引起yǐnqǐto give rise to
無wú · ム · ブ無い
甲骨文字の「無」は、両手に長い羽飾りを持って舞う人の絵だった — もともと「舞(まう)」の原型である。同じ音の「ない」という語に借りられたため、「舞」の意味は舛(まいあし)を加えた 舞 として独立した。下の四つの点(灬・れっか)は火ではなく、舞う人の足や裾が固まった名残。
簡体字は 无 — 画数の少ない古い字体を復活させたもので、繁体の 無 とは全く別の形。モードによって姿が大きく変わる字の一つ。
音読みは ム・ブ。無理(むり)・無料(むりょう)・無視(むし)・無限(むげん)。訓読みは な.い。そして禅の根本公案はただ一字「無(む)」 — 答えにならない答え。
韓国の漢字音は "mu" — 無料(muryo)・無視(musi)・虚無(heomu)。「無い」は東アジア思想の核心語で、道家の無為(muwi)、仏教の無常(musang)もこの字。
中国語は wú、2声。无聊(wúliáo, 退屈)・无论(wúlùn, 〜を問わず)・无法(wúfǎ, 〜できない)。
覚え方: 密な上部は舞い手が持つ羽の束、下の四点は足。「舞」から「無」へ借りられた字。
- 無理むりimpossible
- 無料むりょうfree of charge
- 无聊wúliáobored
- 无论wúlùnno matter
算suàn · サン算
「算」は竹(たけ)・目(め)・廾(両手)が合わさった字 — 上は竹(竹)、下は両手(廾)で竹の算木を目(目)で見つつ数える形。古くは竹の棒(算木)を並べて数を数え、それが本義。先に見た竹(たけ)が頭に乗る。
音読みは サン — 訓読みはほぼ無い。計算(けいさん)・算数(さんすう)・予算(よさん)・暗算(あんざん)・珠算(しゅざん)・清算(せいさん)。日本のそろばん(珠算)の算もこれ。
韓国の漢字音は "san" — 計算(gyesan)・算術(sansul)・豫算(yesan)・暗算(amsan)・珠算(jusan)・算數(sansu)。小学校の算数のその字。
中国語は suàn、4声。计算(jìsuàn)、打算(dǎsuàn, 〜するつもり)、算了(suàn le, もういい)、预算(yùsuàn)、算命(suànmìng, 占う)。算了(suàn le)・打算(dǎsuàn)は中国語日常の必須表現。
覚え方: 竹(竹)の算木を両手(廾)で目(目)に見つつ数える — 棒を並べて数を数える。
- 算数さんすうarithmetic
- 予算よさんbudget
- 打算dǎsuànto intend
- 预算yùsuànbudget
毎měi · マイ毎
甲骨文字の「每」(旧字、現代「毎」) は母(母) + 髪 — 「母が豊かな髪を持つ = 多い・各々」、母の字源を借用して「毎」 = 「すべて・各々」の意味に。
日本語の音読みは マイ — 毎日(まいにち)・毎月(まいつき)・毎年(まいとし・まいねん)・毎週(まいしゅう)・毎回(まいかい)・毎度(まいど)。訓読みは ごと — 「ごとに」 = 「~毎(ごと)に」 = 「~ずつ・~それぞれ」、「○○ごと」は数詞・名詞の後置接尾辞、毎- は前置接頭辞 — 二つで日本語の頻度・分配を表現。「毎度ありがとうございます(まいどありがとうございます)」 = 関西の商人文化由来の挨拶、京阪商人の客への定型謝辞。
韓国の漢字音は「mae」 — 每日(매일)・每月(매월)・每年(매년)・每週(매주)・每回(매회)。日本と意味重なり大、ほぼ全部の「毎○」表現が両国で並行。
中国語は měi、3声 — 每(měi)・每天(měitiān, 毎日)・每年(měinián)・每个(měige, 各々)・每次(měicì, 毎回)・每周(měizhōu, 毎週)。中国独自 — 「每个人(měige rén)」 = 「各人」、強調的に「みんな」を指す、日本語「みなさん」、韓国「modu」と表現が違う。
覚え方: 母(母) + 髪 — 母の豊かさを借用して「すべて・各々」。
- 毎日まいにちevery day
- 毎週まいしゅうevery week
- 毎年まいねんevery year
- 每天měitiānevery day
- 每个měigeeach
- 每次měicìevery time
半bàn · ハン半
甲骨文字の「半」は牛(牛) + 八(分ける) — 「牛を二つに分ける = 半分」、古代中国の家畜屠殺場面が字源。「八」がここでも「分ける」の意味で再登場、漢字字源網の連鎖。
日本語の音読みは ハン — 半分(はんぶん)・半島(はんとう)・前半(ぜんはん)・半世紀(はんせいき)・半額(はんがく)・後半(こうはん)。訓読みは なか.ば — 半ば(なかば、~の途中で・~の半分で)・道半ば(みちなかば、道の途中)。「○○の半ば」は文学的・格式的表現 — 「人生の半ば」「四十路の半ば」 のように、日本人の人生観・年齢観に深く結びつく語感。
韓国の漢字音は「ban」 — 半(반)・半島(반도)・前半(전반)・後半(후반)・韓半島(한반도)。日本と意味重なり大。「韓半島」は韓国独自の地理用語 — 日本では「朝鮮半島」と呼ぶが、韓国は「韓半島」と自称、政治・地理用語の中での自意識の差を表す。
中国語は bàn、4声 — 半(bàn)・半天(bàntiān, 半日)・一半(yībàn, 半分)・半个(bànge, 半個)。中国独自 — 「半天(bàntiān)」が時間の「半日」と感嘆の「ずいぶん長い時間」両義 — 「等了半天(děng le bàntiān)」 = 「半日待った/かなり長く待った」、文脈で判断する中国語独自の時間誇張表現。
覚え方: 牛(牛) + 八(分ける) — 牛を二つに分けた絵 = 半分。
- 半分はんぶんhalf
- 半年はんとしhalf a year
- 三時半さんじはんhalf past three
- 一半yíbànone half
- 半天bàntiānhalf day / a long while
- 半夜bànyèmidnight
頭tóu · トウ · ズ頭
「頭」は頁(おおがい・あたま)が意味、豆(まめ)が音を担う形声字。頁は本来、人の頭を強調した絵で、豆は「dou/du」の音を貸す。体の最上部、頭が本義。
簡体字は头と大きく減った — 頁も豆も捨てた草書ベースで、繁体の頭とは形が全く異なる。モードで字形が大きく分かれる。
音読みは トウ・ズ。訓読みは あたま・かしら。頭(あたま)・頭脳(ずのう, ズと読む例)・先頭(せんとう)・音頭(おんど)・一頭(いっとう)。大きな動物を一頭・二頭と数える。
韓国の漢字音は "du" — 頭腦(dunoe)・先頭(seondu)・念頭(yeomdu)・龍頭(yongdu)・沒頭(moldu)。大きな獣を数える単位にも使う — 牛一頭。
中国語は tóu、2声(軽声も多い)。头(tóu)、头发(tóufa, 髪)、开头(kāitóu, 始め)、街头(jiētóu, 街角)、一头牛(yì tóu niú)。方向・端を表す接尾にも頻用 — 上头・里头・后头。
覚え方: 頭(頁)に豆(豆)の音を加える — 体の最上部、頭。
- 頭脳ずのうbrain
- 先頭せんとうthe lead
- 头发tóufahair
- 开头kāitóubeginning
谷gǔ · コク谷
「谷」は上の二股に分かれる画が山あいを流れ下る水、下の口が水の抜ける谷の口を表す — 山と山の間を水が流れる所、たに。水(みず)が地に半ば沈んで半ばのみ見える形とする説もある。
音読みは コク。訓読みは たに。谷(たに)・渓谷(けいこく)・谷間(たにま)。日本の姓・地名に極めて多い — 谷(たに)・長谷川(はせがわ)・渋谷(しぶや)。
韓国の漢字音は "gok" — 渓谷(gyegok)・峡谷(hyeopgok)・幽谷(yugok)。栗谷(Yulgok, 学者李珥の号)にも用いる。
中国語は gǔ、3声。山谷(shāngǔ)・峡谷(xiágǔ)・谷歌(Gǔgē, Googleの音訳)。なお穀物の穀が簡体で谷に統合され、現代中国語の谷は「谷」と「穀」の両義を持つ — 五谷(wǔgǔ, 五穀)。
覚え方: 山あいを水が分かれ流れ(八)、口(口)の開く所 — たに。
- 渓谷けいこくravine
- 谷間たにまvalley floor
- 山谷shāngǔmountain valley
- 峡谷xiágǔgorge
玉yù · ギョク玉
「玉」は一本の紐に玉の珠を三つ通した絵 — 王とほぼ同形だが、点(丶)を一つ加えて区別した。横画の間隔は、王は上が広く、玉は均等。東アジアで玉は単なる宝石ではなく、君子の徳・純潔・不滅を象徴する最も貴い石だった。
音読みは ギョク。訓読みは たま。玉(たま, 珠・球)・目玉(めだま)・十円玉(じゅうえんだま)。日本語の たま は丸いもの全般を指す。
韓国の漢字音は "ok" — 玉(ok)・珠玉(juok)・白玉(baegok)。「玉に瑕(きず)」の諺のように、玉は完璧さの基準だった。
中国語は yù、4声。玉(yù)・玉米(yùmǐ, とうもろこし=「玉の米粒」)・和氏璧(héshìbì)などの故事で名高い。中国人の名に玉はよく入る — 紅楼夢の女主人公 林黛玉(Lín Dàiyù)のように。
部首としては王の形(点なし)に縮み、珠(しゅ)・球(きゅう)・理(り)の左に付く。
覚え方: 王に点一つ — 王ではなく、王が身につける珠(玉)。
- 目玉めだまeyeball
- 玉たまball, bead
- 玉米yùmǐcorn
- 玉石yùshíjade
八bā · ハチ八
甲骨文字の「八」は二つに分かれていく形 — 「分(わける)」の元の字。「八」=「分」が後に「8」の数字に転用され、「分」は新作字として分離した、字源の借字現象。「分(わける、ぶ)」「公(おおやけ)」など、「八」を上に持つ字すべてが「分ける・分配」の意味を残している。
日本語の音読みは ハチ — 八月(はちがつ)・八人(はちにん)・八方(はっぽう)・八重桜(やえざくら、訓読み混)・八千代(やちよ)。訓読みは や・よう — 八つ(やっつ)・八日(ようか)・八雲(やくも、神話地名)。日本では「8」は末広がりとして縁起良い — 「八」の字形が下に向かって広がるため。「八」がつく地名・人名は無数 — 八幡(やはた・はちまん)・八重洲・八王子。
韓国の漢字音は「pal」 — 八(팔)・八月(팔월)・八角(팔각)。固有語「yeodeol」が日常の8。
中国語は bā、1声。中国で最も縁起良い数 — 「八(bā)」と「發(fā、富む)」が広東語で同音(baat3) になり、「8」が大富の象徴に。北京オリンピック開幕は2008年8月8日午後8時8分8秒に意図的に設定された、中国政府公式の縁起担ぎ。中国の電話番号・ナンバープレートで「8」が連続するものは高額で取引される — 「888-8888」のような番号は数百万円で売買される、世界最高の数字商品化。「捌」(財務形式) は改ざん防止。
覚え方: 上で離れる二本の払い — 「分ける」の絵が「8」に転用された痕跡。
- 八月はちがつAugust
- 八重やえeightfold
- 八月bāyuèAugust
- 十八shíbāeighteen
五wǔ · ゴ五
甲骨文字の「五」は元々 X の形 — 二本の横線(上下) の間に X 字が交差した、「両極の中間 = 5」というアイデア。古代中国の十進法で「5」は中間点。
日本語の音読みは ゴ — 五月(ごがつ)・五人(ごにん)・五輪(ごりん、オリンピック)・五穀(ごこく、五穀豊穣)・五十音(ごじゅうおん)。訓読みは いつ — 五つ(いつつ)・五日(いつか)・五月(さつき、古語)。「五月(さつき)」は和語の旧暦5月、「皐月」とも書かれ、女性の名前としても定着している伝統的な名 — 元号「皐月の頃」が記憶に残る人も。
韓国の漢字音は「o」 — 五(오)・五月(오월)・五輪(오륜)。固有語「daseot」が日常の5。
中国語は wǔ、3声。日常頻出 — 五(wǔ)・五月(wǔyuè)・五十(wǔshí)・五星红旗(wǔxīng hóngqí, 五星紅旗、中国国旗)。中国の「五星」は中国共産党(大星) と労農工知の四階級(小星) の象徴。中国独自の数字シンボル — 「五」は儒教の五行(木火土金水)・五常(仁義礼智信)・五倫(君臣・父子・夫婦・兄弟・朋友) と東洋哲学の中心数。「伍」(財務形式) は中国の珍しい姓の一つでもある。
覚え方: 二本の横線(上下)に X が交差 — 上下の限界の間に位置する数。
- 五月ごがつMay
- 五感ごかんfive senses
- 五月wǔyuèMay
- 五星wǔxīngfive stars
四sì · シ四
甲骨文字では「四」は実は「四本の横線」の積み重ね(三+一) だった — 後に視認性のため枠で囲った「四」の形に変わった。同じ理由で五・六・七・八・九 すべて、本来の「数本の線」から記号的形に進化。
日本語の音読みは シ — 四月(しがつ)・四季(しき)・四角(しかく)・四方八方(しほうはっぽう)。訓読みは よ・よん — 四つ(よっつ)・四日(よっか)・四人(よにん)・四つ角(よつかど)。問題: 日本語の「シ(四)」は「死(し)」と同音 — 病院の部屋番号、ホテルの階数で「4」を避ける。中国・韓国も同じ「四 = 死」の同音忌避があるが、日本ほど建築番号への反映は徹底されていない国もある。
韓国の漢字音は「sa」 — 四(사)・四月(사월)・四角(사각)。固有語「net」が日常の4。「四 = 死(사)」の同音忌避は韓国にもあり、エレベーターで「4階」を「F」と表記する建物もある。
中国語は sì、4声。「四(sì)」 ≠ 「死(sǐ)」(3声) で声調が違うため日本ほどの忌避は弱いが、広東語では同音(sei3) になり、香港・マカオでは「4」忌避が日本以上に強い — 香港のエレベーターで4・14・24階が省略される建物がある。「肆」(財務形式) は改ざん防止。
覚え方: 四角い枠の中に二画 — 四つの区画が囲われている形。
- 四月しがつApril
- 四季しきfour seasons
- 四月sìyuèApril
- 四季sìjìfour seasons
九jiǔ · キュウ · ク九
甲骨文字の「九」は曲がった肘または鉤 — 元々「曲がる・極まる」の意味を持つ字が、「最大の一桁数 = 9」に転用された借字。10進法で「9」は次の桁(10) に繰り上がる直前の極限値、その「極まり」感が字に込められた。
日本語の音読みは キュウ・ク — 九月(くがつ、ク 系) と 九人(きゅうにん、キュウ 系) が同じ字で違う読み、日付の九日(ここのか、訓) と九時(くじ、ク 系) も。日本語の数字の中で最も読み方が混乱する字 — 「9」を読むときに キュウ と ク が文脈で切り替わる規則は学習者の悪夢。訓読みは ここの — 九日(ここのか)・九つ(ここのつ)。
韓国の漢字音は「gu」 — 九(구)・九月(구월)・九十(구십)。固有語「ahop」が日常の9。「gu」は同音衝突激しい — 九・口・球・區・救 すべて同音、文脈判断が必須。
中国語は jiǔ、3声。中国の最大単桁数として「九」は皇帝・宇宙の象徴 — 古代中国で「九」は陽の極数(奇数の最大)、皇帝の特権数。北京の天壇・故宮の階段は意図的に9段の倍数で構成された。「九」と「久(jiǔ、永遠)」が同音 — 「99」は「永遠の永遠」の縁起担ぎで、結婚式・記念日の人気数。「玖」(財務形式) は改ざん防止。
覚え方: 鉤型のフック + 払い — 「極まり・曲がり」の絵が「9」に転用された。
- 九月くがつSeptember
- 九時くじnine o'clock
- 九月jiǔyuèSeptember
一yī · イチ · イツ一
甲骨文字の「一」は単一の横線 — 人類最古のピクトグラフで、世界のどの文明も「一本の線」で「1」を表す共通直観。中国の十進法はこの最も単純な字から始まる。
日本語の音読みは イチ・イツ — 一(いち)・一月(いちがつ)・第一(だいいち) は イチ、一致(いっち)・統一(とういつ) は イツ系。訓読みは ひと — 一つ(ひとつ)・一人(ひとり)・一言(ひとこと)・一足(ひとあし)。日本語の「一・二・三・四」は和語(ひと・ふた・み・よ)と漢語(イチ・ニ・サン・シ)の二系統が完全に併存する — 「一万」は「いちまん」、「一つ」は「ひとつ」と、文脈で読み分け。
韓国の漢字音は「il」 — 一(일)・第一(제일)・一致(일치)・統一(통일)。固有語の数 「hana」と漢字音「il」が併存、日本語と同じ二系統構造。「一万」は「ilman」と漢字音、「hana」は固有語1。
中国語は yī、1声。中国独自の音調変化 — 「一」は声調が文脈で変わる稀な字。後ろが4声 → 「一」が2声(yí)、後ろが1・2・3声 → 「一」が4声(yì)、単独・序数 → 1声(yī)。例: 一个(yí ge)、一家(yì jiā)、一(yī, 単独)。中国語学習者を最初に困らせる声調変則。「壹」(財務形式) は契約・小切手で「一」の改ざん防止に — 横線一本に「二」「三」を書き足すのは簡単すぎるため。
覚え方: 一本の線。絵がそのまま意味。
- 一月いちがつJanuary
- 一人ひとりone person
- 一起yīqǐtogether
- 第一dìyīfirst
七qī · シチ七
甲骨文字の「七」は十字に交差した「切る」の絵 — 元々「切る」(現在の「切」 = 七 + 刀) を意味した字が、後に「7」の数字に転用され、本来の意味は「切」に新作の字を作って分離した、字源の bait-and-switch。
日本語の音読みは シチ — 七月(しちがつ)・七夕(たなばた、熟字訓!)・七面鳥(しちめんちょう)・七味(しちみ、七味唐辛子)。訓読みは なな・なの — 七つ(ななつ)・七日(なのか)・七人(ななにん・しちにん、両用)。日本語の「七」は「シチ」と「なな」の使い分けが学習者を最も悩ませる数字 — 公式・序数は「シチ」、非公式・量詞前は「なな」、しかし「七面鳥」「七味」 は「シチ」固定など、規則化困難な慣用例外多数。「七夕(たなばた)」は二字熟字訓で、漢字音とは無関係に和語「たなばた(棚機)」を当てた特殊読み。
韓国の漢字音は「chil」 — 七(칠)・七月(칠월)・七夕(칠석)。固有語「ilgop」が日常の7。「七夕」は中国・韓国・日本に共通の祭日だが、日本だけ「たなばた」と特殊な読み方になった、東アジア漢字文化の中の日本の例外。
中国語は qī、1声。日常頻出 — 七(qī)・七月(qī yuè)・七星(qīxīng, 北斗七星)・七巧板(qīqiǎobǎn, タングラム)。中国独自の文化語 — 「七巧板(タングラム)」は中国発祥のパズルで、19世紀に欧米に渡り「Tangram」として世界的に。「漆」(財務形式、本来は「ラッカー」の字) は同音借字で改ざん防止。
覚え方: 横線を縦線が貫く — 元々「切る」の絵だった字が「7」に転用された痕跡。
- 七月しちがつJuly
- 七夕たなばたTanabata festival
- 七月qīyuèJuly
六liù · ロク六
甲骨文字の「六」は屋根の下に二本の足 — 古代中国で「家屋」の絵が借用されて「6」を表した、字源と意味のリンクが薄い借字の典型例。元々の「家屋」の意味は失われ、「6」だけが残った。
日本語の音読みは ロク — 六月(ろくがつ)・六人(ろくにん)・六時(ろくじ)・第六(だいろく)・六法(ろっぽう、六法全書)。訓読みは む・むつ — 六つ(むっつ)・六日(むいか)・六人(むたり、古語)・六歌仙(ろっかせん、平安和歌の六人衆)。
韓国の漢字音は「yuk」 — 六(육)・六月(유월、頭音法則による)・六十(육십)。注意: 「六月」は「yuwol」と読み、「ㅂ + wol」 → 「yuwol」と促音化する韓国独特の音便現象。固有語「yeoseot」が日常の6。
中国語は liù、4声。日常頻出 — 六(liù)・六月(liù yuè)・六十(liùshí)・六合(liùhé, 上下と東西南北、宇宙)。中国の「六」は道家の宇宙観で重要 — 「六合」は宇宙全体、「六道」は仏教の六つの輪廻世界。中国広東語の「六(luk6)」は「禄(luk6, 福禄の禄)」と同音で吉数 — 香港・広州では「6」が縁起の良い数として人気。日本の「6」 = ニュートラルな数とは違う文化的価値。
覚え方: 屋根の形 — 上の点と払いが屋根、下が二本の柱。「6」を表す借字。
- 六月ろくがつJune
- 六本ろっぽんsix (long objects)
- 六月liùyuèJune
十shí · ジュウ · ジッ十
甲骨文字の「十」は元々「縦の棒一本」 — 物を束ねた縄の絵だった。後に交差線が加わり、現代の「+」型に。10進法の桁の繰り上がり「10」が、シンプルな十字記号で表現された。
日本語の音読みは ジュウ・ジッ — 十(じゅう)・十月(じゅうがつ)・十人(じゅうにん) は ジュウ系、十進法(じっしんほう)・十干(じっかん) は促音化のジッ系。訓読みは とお・と — 十(とお)・十日(とおか)・五十(ごじゅう・いそ、古語)。「十日(とおか)」のように「十」を「とお」と読む和語が、暦と古語に残る。
韓国の漢字音は「sip」 — 十(십)・十月(시월、頭音便で「シ」 + 月)・十年(십년)。注意: 「十月」は「siwol」と読み、ㅂ + wol → siwol と省略される韓国独特の音便 — 「六月(유월)」と並ぶ韓国漢字音の暦読み変則。固有語「yeol」が日常の10。
中国語は shí、2声。日常頻出 — 十(shí)・十月(shí yuè)・十分(shífēn, 十分・とても)・十全十美(shíquán shíměi, 完璧の意の成語、字義「十の完全と十の美」)。「十全十美」は中国独自の最大評価表現で、日本語の「完璧」より位が高い、絶対の称賛。「拾」(財務形式) は改ざん防止 — ただし「拾」自体は日常で「拾う」の意味で別用法。
覚え方: 縦線 + 横線の十字 — 物を束ねた縄から発展した10の記号。
- 十分じゅうぶんenough
- 十字じゅうじcross shape
- 十字路口shízì lùkǒucrossroads
- 十分shífēnvery / completely
三sān · サン三
甲骨文字の「三」は三本の横線 — 中国十進法の最初の3つは「一・二・三」とすべて横線の積み重ねで構成。
日本語の音読みは サン — 三月(さんがつ)・三人(さんにん)・第三(だいさん)・三角形(さんかくけい)。訓読みは み — 三つ(みっつ)・三日(みっか)・三日月(みかづき)・三人(みたり、古語)。「三人(さんにん)」と「三人(みたり)」が併存していた古典日本語が現代では サンニン に統一された。歴史小説では「みたり」も時々目にする。
韓国の漢字音は「sam」 — 三(삼)・三月(삼월)・三角(삼각)・三星(삼성、サムスン)。「三星」(サムスン) は世界的IT企業名として日本でも知られているが、漢字「三星」は字義通り「三つの星」 — 三つの恒星のように長く輝けという創業者の願いから。
中国語は sān、1声。中国の伝統的な吉数の一つ — 「三」は儒教の三綱五常、道家の三才(天地人)、仏教の三宝など、東洋思想で重要な数。「三」が含まれる成語は無数 — 三思而行(sānsī ér xíng, 三度考えて行動する)・三人成虎(sānrén chénghǔ, 三人が言えば虎が現れる、噂の力)。「叄」(財務形式) は契約改ざん防止 — 「三」を「五」に書き加えるのが簡単すぎる。
覚え方: 三本の線を重ね、真ん中の線が少し短い(書道の慣例)。
- 三月さんがつMarch
- 三角さんかくtriangle
- 三月sānyuèMarch
- 三角sānjiǎotriangle
二èr · ニ · ジ二
甲骨文字の「二」は二本の横線 — 「一」を二つ重ねたシンプル構造。
日本語の音読みは ニ・ジ — 二月(にがつ)・二人(ふたり、和語混)・二倍(にばい) は ニ、二次(にじ・じじ)・二者(にしゃ・じしゃ) で揺れる。訓読みは ふた — 二つ(ふたつ)・二人(ふたり)・二日(ふつか)・双子(ふたご、双の字を当てる)。「二日(ふつか)」のような熟字訓は子音同化(ふたか → ふつか) を経た古い和語で、暦の読み方に残る。
韓国の漢字音は「i」 — 二(이)・二月(이월)・二重(이중)・二倍(이배)。固有語「dul」が日常の2、漢字音「i」が公式数。注意: 韓国漢字音「i」は二・耳・李(姓)・i(歯) など同音衝突が激しい — 韓国漢字音の代表的問題。
中国語は èr、4声。日常で「二」と「两(liǎng)」が文脈で使い分けられる — 「2人」は「两个人(liǎng gè rén)」、「2階」は「二楼(èr lóu)」、序数は「二」、量詞前は「两」。中国語学習者を悩ませる「二/两」の使い分けは、日本語の「二人(ふたり)/にん」の二系統と類似した二重性。「貳」(財務形式) は契約改ざん防止 — 「二」を「三」に書き換えるのが簡単すぎるため。
覚え方: 二本の横線、上が短く下が長い(中国の伝統)、または同じ長さ(日本の伝統)。
- 二月にがつFebruary
- 二人ふたりtwo people
- 二月èryuèFebruary
- 第二dìèrsecond