CLUSTER · 意味の群
育つもの
5 字
字の話
生shēng · セイ · ショウ生きる
甲骨文字の「生」は地面(土) から芽が突き抜ける絵 — 草の芽が出る絵がそのまま「生まれる・生きる・新鮮」を意味する、最も生命力に満ちた字。
日本語の音読みは セイ・ショウ、訓読みは い.きる・う.まれる・なま、ほか「お」(羽生など)・「ふ」(芝生)・「い」(弥生) など、「生」は常用漢字の中で最も読み方が多い字 — 13以上の活発な読み方が辞書に載る。学生(がくせい)・先生(せんせい)・誕生(たんじょう)・一生(いっしょう)・生徒(せいと)・生水(なまみず)・生きる(いきる)・生まれる(うまれる)・芝生(しばふ)・羽生(はにゅう・はぶ)・弥生(やよい) — 同じ字が状況で読み方が変わる、日本語学習者を最も悩ませる字。
韓国の漢字音は「saeng」 — 學生(학생)・先生(선생)・誕生(탄생)・一生(일생)・人生(인생)・生命(생명)。日本と意味重なる。固有語「salda(salda, 生きる)」「taeeonada(taeeonada, 生まれる)」が日常動詞、漢字「saeng」は熟語。
中国語は shēng、1声 — 生(shēng)・生活(shēnghuó, 生活)・先生(xiānsheng, ~さん)・生日(shēngrì, 誕生日)・生意(shēngyì, ビジネス、字義「生きる意」)。中国独自 — 「生意(shēngyì)」 = ビジネス・商売、字義「生きるための意」が「商売」へ意味派生。「做生意(zuò shēngyì, 商売をする)」は中国語日常語。「生啤(shēngpí, 生ビール)」「生肉(shēngròu, 生肉)」のように「新鮮・未調理」の意味も中国・日本共通。
覚え方: 地面から芽が突き抜ける絵 — 生命の始まり。
- 学生がくせいstudent
- 生まれるうまれるto be born
- 一生いっしょうa lifetime
- 生活shēnghuólife / to live
- 医生yīshēngdoctor
- 生气shēngqìto be angry
第dì · ダイ · テイ第
「第」は竹(たけ)が意味、弟(おとうと)が音を担う形声字。先に見た弟(おとうと)が本来「次序・順序」を意味したが、その順序の意を明らかにするため竹(竹)を加えて第を作った — すなわち「次第・等級・順番」。竹簡を順に綴ったことに次序の意が生きている。
音読みは ダイ・テイ — 訓読みは無い(音読み専用)。第一(だいいち)・次第(しだい)・及第(きゅうだい)・落第(らくだい)・第三者(だいさんしゃ)。日本語の次第(しだい)は「~次第・次第に」の意で広く使う。
韓国の漢字音は "je" — 第一(jeil)・及第(geupje)・落第(nakje)・第三者(jesamja)。順序を付ける接頭で「第~」を作る — 第二次・第三世界。
中国語は dì、4声。序数を作る接頭で、ほぼ全ての順序に用いる — 第一(dì-yī)・第二(dì-èr)・第三(dì-sān)。現代中国語で「第~番目」を表す最も基本的な字。
覚え方: 弟(弟)の次序の意に竹(竹)を加える — 順序・等級の第。
- 次第しだいorder; depending on
- 第一だいいちthe first
- 第一dì-yīfirst
- 第二dì-èrsecond
森sēn · シン森
甲骨文字の「森」は木(木)が三つ — 字源は単純で、「林(二)」より木の数が多い「森(三)」。木の数で疎密の階層を表す中国独自の漢字組み合わせ法。
日本語の音読みは シン — 森林(しんりん)・森厳(しんげん、厳粛で森のような)・森閑(しんかん、静まり返る)。訓読みは もり — 森(もり)・森の中(もりのなか)・森林浴(しんりんよく)。日本では「森」は神聖な空間 — 多くの神社(じんじゃ) は「鎮守の森(ちんじゅのもり)」 — 神域として何世紀も保護された森に囲まれている。明治神宮の森も人工的に植えた「永遠の森」として有名。日本の神道文化が「森」の漢字に独特の聖性を付与。
韓国の漢字音は「sam」 — 森林(삼림)・森羅萬象(삼라만상)。固有語「sup(sup, 森)」が日常、漢字「sam」は熟語専用。注意: 「sam」は同音衝突 — 三・森・參(参)・蔘(人参) すべて同音、文脈判断必須。
中国語は sēn、1声 — 森(sēn)・森林(sēnlín, 森林)・阴森(yīnsēn, 陰気で森のような、文学表現)。中国語の「森林」は西洋の「forest」を翻訳する近代造語で、本来「林」と「森」は同義語的に使われていた — 「森林」という二字熟語は19世紀末以降の科学用語の生成過程で確立した近代漢語。
覚え方: 三つの木 — 「林」より深い、聖域のような森。
- 森林しんりんforest
- 森もりforest
- 青森あおもりAomori (place name)
- 森林sēnlínforest
- 阴森yīnsēngloomy / eerie
林lín · リン林
甲骨文字の「林」は木(木)が二つ並んだ絵 — 字源そのものが「木の集まり = 林」。「森(もり)」(三つ) との組み合わせで、木の数による疎密の階層がある。
日本語の音読みは リン — 林業(りんぎょう)・林立(りんりつ)・密林(みつりん)・人造林(じんぞうりん)。訓読みは はやし — 林(はやし)・林道(りんどう)。日本人苗字の「林(はやし)」は密度が高く、トップ20位に入る — 林・小林・若林・大林 など、「林」を含む苗字が日本苗字の地理に深く根付いている。
韓国の漢字音は「rim」 (語頭では「im」) — 林業(임업)・密林(밀림)・密林(밀림)。注意: 韓国の頭音法則で「林」が語頭では「im」と読まれる — 韓国姓の「林(임)」は人口5万以上の中堅姓。
中国語は lín、2声 — 林(lín)・森林(sēnlín, 森林)・林业(línyè, 林業)。中国独自 — 「林」は中国姓の中堅で、世界中に「Lin」姓の中国系が多い。台湾・福建省・東南アジアの華僑社会で頻出する姓。
覚え方: 木(木) + 木(木) — 木が並んだ「林」。三つになると「森」。
- 森林しんりんforest
- 林業りんぎょうforestry
- 林はやしsmall woods
- 森林sēnlínforest
- 树林shùlínwoods / grove
木mù · ボク · モク木
甲骨文字の「木」は幹と枝、根まで描いた立木の絵 — 上に枝が伸び、下に根が広がる、樹木の理想形。
日本語の音読みは ボク・モク の二系統 — 大木(たいぼく)・木刀(ぼくとう) は ボク、木曜日(もくようび)・材木(ざいもく) は モク。訓読みの き・こ も両方使われる — 木陰(こかげ)・木漏れ日(こもれび)。「木漏れ日」は他言語に翻訳しづらい日本語の代表 — 葉の間から差し込む日光、その揺らぎまで含む感性語。英語の "dappled sunlight" は近いが、心象まで含むニュアンスは日本語独自。
韓国の漢字音は「mok」 — 木曜日(목요일)・木材(목재)・植木(식목)。木曜日が韓国でも「mokyoil」と完全対応。日本のような「木漏れ日」「木の精」のような自然観感性語は韓国漢字語ではあまり育っていない — 韓国の自然観は山(산) 中心、日本は木(き) 中心という違い。
中国語は mù、4声。中国語では「木」単独より 树(shù, 木の意の現代字) が日常勝者。ただし「木」は形容詞でユニークな使い方 — 麻木(mámù, 麻痺している、感情が鈍い)、木讷(mùnè, 口下手・反応が鈍い)。「木」が「ぼうっと反応が鈍い」の比喩に転じている — 日本語にはない用法。
覚え方: 上に枝、下に根、真ん中の縦線が幹 — 一本の立木がそのまま字になっている。
- 木曜日もくようびThursday
- 木の葉このはtree leaves
- 樹木shùmùtrees
- 木頭mùtouwood, log