数II 関数の極限 わかりやすく
Limit of a Function
極限とは、x をある値へ限りなく近づけるとき、関数がどこへ向かうのかを問うものです。
面白いことに、その点に実際に到達する必要も、関数がそこで定義されている必要さえもありません。
穴がぽっかり空いた場所でも、両側から近づく値が同じなら極限はちゃんと存在します。
接近度スライダーを動かすと、左の青い点と右の橙の点が空いた穴の 2 へ同じように集まります。
極限とは
ある点に数を代入できなくても、その近くで関数値がどこに付くかは別に問えます。 その問いが関数の極限で、0/0 のように代入が止まる式でも近くの値を整理する理由になります。 左極限と右極限が同じでなければ極限値があると言えないのも、片側だけ見ると反対側が別の高さにあることがあるからです。 連続はその極限値と f(a) をあとで比べる言葉なので、先に近づく側を確かめる順が必要です。 極限の和・差・積・商はそれぞれの極限を求めてから計算し、商では分母の極限が 0 であってはいけません。
🎯 極限の核心
①「x が a に限りなく近づくとき、f(x) は何に近づくか?」
②実際に x = a に到達する必要はない — 「傾向」が重要
③左極限と右極限が一致すれば極限値が存在
④f(a)がなくても極限はある。ロピタルは微積分のページ
seegongsik.com
x=1 で未定義だが極限値 2 に収束接近の図には f(x) = (x² − 1)/(x − 1) が緑の曲線で描いてあり、x = 1 の位置には赤い空の円が高さ 2 にあります。 左には青い点、右には橙の点が曲線上にあり、点線が x = 1 と y = 2 でその穴を指しています。 接近度 t は 0 % から 95 % までで、t を大きくすると二つの点が穴に近い位置に描き直されます。 中央の図は f(x) = 2x で、極限は x → 2 で 4 です。 橙の帯が L = 4 のまわりの ε、青い帯が a = 2 のまわりの δ で、この直線では δ = ε/2 に合わせています。 ε は 0.3 から 3.0 までです。下の図は緑の f(x) = x²/3 と橙の k · f(x) を重ね、定数倍を示します。k は 0.5 から 3.0 までです。
💡 観察ポイント
①青い点(左極限)と橙の点(右極限)が y=2 に近づく
②f(1) は未定義(白丸)だが極限値は 2
③(x²−1)/(x−1) を因数分解:(x+1)(x−1)/(x−1) = x+1
イプシロン-デルタ定義(発展)
赤い空の円だけを見て極限がないときめつけやすいです。 その空の円は x = 1 で関数値が空だという印で、極限がないという判定とは別の言葉です。 この図の青い点と橙の点は同じ高さ 2 の側へ位置を移すので、穴があっても極限の候補は一つです。 逆に f(a) の数があるからといって、それがすぐ極限なのではありません。 左右が別の高さなら関数値があっても極限はなく、そのときは連続も成り立ちません。 0/0 の形に目標の値をそのまま入れると式が壊れるので、先に約分できる因数があるかを見ます。
seegongsik.com
ε を小さくすれば δ も小さくなる — 極限の厳密な定義極限の定義(ε-δ)
limx→a f(x) = L
任意の ε > 0 に対し δ > 0 が存在し、0 < |x − a| < δ ならば |f(x) − L| < ε
🔑 ε-δ の読み方
①ε は y 軸方向の許容誤差(橙帯)
②δ は x 軸方向の制限(青帯)
③どんな ε にも δ を見つけられれば極限が存在
極限の基本性質
seegongsik.com
定数倍の性質 — 極限演算の基礎極限の四則
lim [f(x) ± g(x)] = lim f(x) ± lim g(x)
それぞれの極限が存在するときに成立(分母 ≠ 0)
定数倍
lim k·f(x) = k · lim f(x)
定数は極限の外へ
主要な極限値
三角関数の基本極限
limx→0 sin xx = 1
微積分の範囲。弧度法基準。数学IIの試験必須ではない
自然指数の極限
limx→0 ex - 1x = 1
微積分の範囲。自然定数 e の定義から導出
自然対数の極限
limx→0 ln(1 + x)x = 1
微積分の範囲。上から置換で導出
まとめ
極限の定義
limx→a f(x) = L ⟺ 左極限 = 右極限 = L
両側が同じ値に収束する必要がある
🎯 試験ポイント
①左極限 ≠ 右極限なら極限は存在しない
②f(a) と極限値は別物 — f(a) が未定義でも極限は存在しうる
③0/0 形は因数分解・有理化・ロピタルなどで解決
④sin x/x → 1、(e^x − 1)/x → 1 は必須暗記
⑤極限の四則は各極限が存在するときのみ
例題と過去問
例題 1
limx→2 (x² − 4)/(x − 2) を求めよ。
10/0 の形なので分子を因数分解して約分する。
x2 - 4x - 2 = (x+2)(x-2)x-2 = x + 2
2x → 2 を代入する。
limx→2 (x + 2) = 4
▸ 4
0/0 不定形は因数分解・約分で解消してから代入する。
例題 2
limx→0 (sin 3x)/x を求めよ。
1sin x / x → 1 を使うため分母を 3x に合わせる。
sin 3xx = 3 × sin 3x3x
23x → 0 なので sin(3x)/(3x) → 1。
3 × 1 = 3
▸ 3
limx→0 sin(x)/x = 1 を使うには分母と sin の中身を同じにする。
2023 修能 数学 類題
limx→1 (x² + 2x − 3)/(x − 1) の値は?
▸ ① 4
1分子を因数分解する。x² + 2x − 3 = (x + 3)(x − 1)。
x2 + 2x - 3x - 1 = (x+3)(x-1)x-1 = x + 3
2x → 1 を代入する。
limx→1 (x + 3) = 4