数II 関数の極限 わかりやすく
Limit of a Function
極限とは、x をある値に限りなく近づけたとき、関数の値がどこに近づくかをたずねることです。
その場所に実際にたどり着く必要はなく、関数がその場所で定義されていなくてもかまいません。
穴のあいた場所でも、両側から近づく値が同じなら、極限ははっきり存在します。
1つ目の図で近づき方の度合いを上げると、左の青い点と右のオレンジの点が穴のあいた x = 1 に近づき、2つの点の関数の値がどちらも2に集まります。
極限とは
x = 1 では (x² − 1)/(x − 1) の分母が0になり、値を計算できない。それでも、x = 0.9 なら1.9、x = 1.1 なら2.1、x = 0.99 なら1.99 のように、まわりの値はそろって2のほうへ集まる。関数の極限とは、このようにその点には入らずに、まわりの値がどこに集まるかをたずねる考え方である。
🎯 極限の考え方
①x を a に限りなく近づけたとき、f(x) がどんな値に近づくかをたずねる
②x が実際に a に到達する必要はなく、近づいていく間の値だけを見る
③左から近づくときの左側極限と、右から近づくときの右側極限が等しいとき、極限値が存在する
④f(a) が定義されていなくても、極限が存在することがある
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x = 1 に穴のあいた f(x) = (x² − 1)/(x − 1)。両側から近づく2つの点の関数の値が2に集まる1つ目の図の緑の直線は y = x + 1 と同じだが、x = 1 に赤い白ぬきの円があいている。近づき方の度合い t を大きくすると、青い点は左から、オレンジの点は右から x = 1 に近づき、上に2つの点の x と f(x) が書かれる。t = 95 % のとき、2つの点は x = 0.9 と1.1にあり、関数の値は1.9と2.1である。2つ目の図で ε を小さくするとオレンジの帯が細くなり、グラフがその中に入るように青い帯 δ = ε/2 もいっしょに細くなる。
💡 図で見るところ
①青い点(左)とオレンジの点(右)がどちらも高さ2に近づく
②f(1) は定義されない(白ぬきの円)が、極限値は2である
③分子を因数分解すると (x + 1)(x − 1)/(x − 1) で、x ≠ 1 なら x + 1 と等しい
ε-δ で正確に述べる(発展)
赤い白ぬきの円を見て極限がないと考えがちだが、白ぬきの円は x = 1 で関数の値がないという印にすぎない。両側の点は同じ高さ2に集まるので、極限は2である。逆に、関数の値 f(a) があっても、それがそのまま極限値になるとはかぎらない。左側極限と右側極限が異なれば、f(a) があっても極限は存在しない。また 0/0 の形にそのまま値を代入すると式が成り立たなくなるので、先に約分できる因数があるかを見る。
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f(x) = 2x で、L = 4 のまわりの ε の帯(オレンジ)と a = 2 のまわりの δ の帯(青)。ε を小さくすると δ = ε/2 もいっしょに小さくなる極限の定義(ε-δ)
limx→a f(x) = L
どんな ε > 0 に対しても適当な δ > 0 があって、0 < |x − a| < δ ならば |f(x) − L| < ε となる
🔑 ε-δ の読み方
①ε は y の向きに許す誤差の幅(オレンジの帯)である
②δ は、x をその中にとれば f(x) が ε の帯に入る、x の向きの幅(青い帯)である
③ε をどれほど小さくとっても適当な δ がいつも見つかれば、極限が存在する
④この定義は高校の範囲をこえる発展的な内容である
極限の基本的な性質
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f(x) = x²/3(緑)と k · f(x)(オレンジ)。x → 3 のとき f(x) は3に、k · f(x) は 3k に近づく極限の四則演算
lim [f(x) ± g(x)] = lim f(x) ± lim g(x)
極限値が存在するとき、和・差・積・商の極限はそれぞれの極限値から計算する(商では分母の極限が0でないとき)
定数倍
lim k·f(x) = k · lim f(x)
定数は極限の外に出せる
先取りする極限(数学Ⅲ)
三角関数の極限
limx→0 sin xx = 1
数学Ⅲで扱う。x は弧度法ではかる
指数関数の極限
limx→0 ex - 1x = 1
数学Ⅲで扱う。e は自然対数の底である
対数関数の極限
limx→0 ln(1 + x)x = 1
数学Ⅲで扱う。上の式から置きかえで得られる
まとめ
極限の定義
limx→a f(x) = L ⟺ 左側極限 = 右側極限 = L
両側から同じ値に近づくとき、極限が存在する
🎯 試験ポイント
①左側極限と右側極限が異なれば、極限は存在しない
②f(a) と極限値は別の考えで、f(a) がなくても極限は存在しうる
③0/0 の形は、因数分解や有理化で約分してから代入する
④極限の四則演算は、それぞれの極限値が存在するときだけ使える
⑤商の極限で分母の極限が0になるときは、別に考える必要がある
例題と過去問
例題 1
limx→2 (x² − 4)/(x − 2) を求めよ。
1x = 2 を代入すると 0/0 になるので、分子を因数分解して約分する。
x2 - 4x - 2 = (x+2)(x-2)x-2 = x + 2
2約分した x + 2 に x = 2 を代入する。
limx→2 (x + 2) = 4
▸ 4
約分は x ≠ 2 のときしかできないが、極限は x = 2 そのものではなくまわりの値だけを見るので問題はない。
例題 2
limx→0 (sin 3x)/x を求めよ。
1sin x / x → 1 を使うには、分母を sin の中の 3x にそろえる必要がある。
sin 3xx = 3 × sin 3x3x
2x → 0 のとき 3x → 0 なので、sin 3x / 3x → 1 である。
3 × 1 = 3
▸ 3
sin の中の式と分母が同じ形のときだけ極限は1になる。だから3をかけて割り、形をそろえる。
2023 韓国修能 数学 類題
limx→1 (x² + 2x − 3)/(x − 1) の値は?
▸ ① 4
1x = 1 を代入すると 0/0 なので、分子を (x + 3)(x − 1) と因数分解する。
x2 + 2x - 3x - 1 = (x+3)(x-1)x-1 = x + 3
2約分した x + 3 に x = 1 を代入する。
limx→1 (x + 3) = 4
最終更新