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単語帳
高校2年生 (16-17歳)

数学的帰納法

Mathematical Induction

数学的帰納法は、無限に多い命題をドミノのように一列に倒していく証明の方法です。 まず最初のドミノが倒れること(n = 1 で成立)を示し、次にどれか一つが倒れればすぐ次も倒れること(n = k で成立なら n = k + 1 でも成立)を示します。 この二つを確かめるだけで、すべての自然数について命題が正しいことが一度に保証されます。 このページではドミノが次々に倒れていく様子をたどりながら、帰納法の二つの段階を自分の目で確かめます。

ドミノ効果 — 帰納法の直観
3
💡 ドミノと帰納法の比喩
①最初のドミノを倒す(n=1 確認)
②1つ倒れると次も倒れる(k → k+1)
③この2条件で全部倒れる
④これが数学的帰納法の核心
証明の構造 — 3段階
📐 各段階の役割
①基底:n=1 で P(1) を直接確認
②仮定:n=k で P(k) を仮定
③帰納:仮定を使い P(k+1) を示す
④3段階すべてで全自然数について証明
例:1+2+...+n = n(n+1)/2 の証明
1段階:n=1
左辺 = 1, 右辺 = 1×22 = 1 ✓
n=1 で両辺が等しいか直接確認
2段階:n=k を仮定
1+2+...+k = k(k+1)2 (仮定)
n=k で成立すると仮定
3段階:n=k+1 を証明
1+2+...+k+(k+1) = k(k+1)2 + (k+1) = (k+1)(k+2)2
仮定を用いて k+1 でも成立を示す
証明完了!
①n=1 で確認 ✓
②n=k 仮定 → n=k+1 証明 ✓
③よってすべての自然数 n で 1+2+...+n = n(n+1)/2
帰納法の活用
⚠️ よくあるミス
①基底(n=1)を抜くと証明にならない
②仮定では「証明したいこと」を仮定として書く
③k+1 の段階で必ず仮定を用いる
④仮定を使わないと帰納法ではない
📐 帰納法が必要な場面
①自然数 n に関する等式・不等式の証明
②数列の和の公式証明
③整除性(3^n − 1 は 2 の倍数)
④幾何性質(n 角形の内角の和)
まとめ
数学的帰納法
P(1) ∧ [P(k) → P(k+1)] ⟹ ∀n∈ℕ, P(n)
基底+帰納段階 → すべての自然数で成立
🎯 試験ポイント
①3段階:基底(n=1)→ 仮定(n=k)→ 証明(n=k+1)
②基底は絶対省略しない
③帰納段階で必ず仮定を活用
④不等式の帰納法:k+1 で左辺を変形し仮定を代入
⑤n=1 ではなく n=2 から始まる場合もある
例題と過去問
例題 1
すべての自然数 n について 1 + 2 + ... + n = n(n+1)/2 を数学的帰納法で証明するとき、最初に確認すべき段階は?
1
帰納法は (i) n=1 で成立、(ii) n=k で成立を仮定すると n=k+1 でも成立、の2段階。
(i) n = 1 を確認, (ii) P(k) ⟹ P(k+1)
2
まず基底段階 n=1 で左辺と右辺が等しいか確認する。
n=1: 左辺 = 1, 右辺 = 1×22 = 1
基底段階 — n = 1 で成立することをまず確認する。
出発点(n=1)を確認しなければ証明全体が崩れる。
例題 2
帰納法で n=k のとき成立を仮定したあと、その仮定を使って何を示すべきか?
1
n=k で成立すると仮定する(帰納の仮定)。
仮定: P(k) 成立
2
この仮定を足がかりに n=k+1 でも成立することを示す。
示すこと: P(k+1) 成立
n = k+1 でも成立することを示す。
帰納の仮定 P(k) を必ず使って P(k+1) を導く。
2023 修能 数学 類題
ドミノがすべて倒れる状況に対応する数学的帰納法の2段階として正しいものは?
n=1 成立、かつ P(k) ⟹ P(k+1)
n=1 成立のみ
P(k) ⟹ P(k+1) のみ
すべての n を直接代入
n=2 成立、かつ P(k) ⟹ P(k−1)
① n=1 成立、かつ P(k) ⟹ P(k+1)
1
最初のドミノが倒れる = 基底段階 n=1 で成立。
(i) n = 1 で成立
2
k番目が倒れると (k+1)番目も倒れる = 帰納段階 P(k) ⟹ P(k+1)。
(ii) P(k) ⟹ P(k+1)
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