seegongsik
高校1年生 (15-16歳)

数I 剰余定理と因数定理 わかりやすく

Remainder Theorem & Factor Theorem

剰余の定理は、多項式を実際に割らなくても余りがわかる近道です。 多項式P(x)をx − aで割った余りはP(a)に等しいので、xのところにaを1回代入すれば余りが出ます。 このとき余りが0なら、x − aで割り切れるということで、x − aはP(x)の因数です。これが因数定理で、3次以上の式を因数分解するときの最初の一歩になります。 1つ目の図ではaを変えると、グラフ上の点(a, P(a))の高さがそのまま余りとして読め、2つ目の図ではグラフがx軸と交わる点から因数を見つけられます。

剰余の定理:代入すれば余り

多項式P(x)をx − aで割った余りはP(a)に等しい。割り算をしなくても、値を代入するだけで余りが求められる。

3
💡 剰余の定理が成り立つわけ
①P(x)をx − aで割ると、P(x) = (x − a)·Q(x) + Rとなる
②ここにx = aを代入すると、P(a) = 0·Q(a) + R = Rである
③したがって、余りRはP(a)に等しい
④図でa = 2のときP(2) = 0なので、この多項式はx − 2で割り切れる
⑤ax + bで割った余りは、下の公式のようにP(−b/a)である

剰余の定理の公式

剰余の定理
P(x)をx − aで割った余り = P(a)
代入した値がそのまま余りになる
1次式ax + bで割るとき
P(x) ÷ (ax + b) の余り = P(-ba)
ax + b = 0の解を代入する

因数定理:P(a) = 0なら因数

余りが0ということは、グラフがその点でx軸と交わるということである。P(a) = 0なら、x − aはP(x)の因数である。

3
🔑 因数定理のかなめ
①P(a) = 0と「x − aはP(x)の因数」は同じことを言っている
②グラフでは、x軸と交わる点のx座標が因数x − aのaである
③図の多項式は、x² + 1が0にならないので、x軸と1点でしか交わらない
④3次以上の式の因数分解は、このような解を1つ見つけるところから始まる

因数定理の使い方

因数定理
P(a) = 0 ⟺ x − aはP(x)の因数
余りが0なら割り切れ、割り切れるなら因数である
📐 高次式を因数分解する手順
①定数項の約数を解の候補にする(±1, ±2, ±3, …)
②候補を代入して、P(a) = 0となる値を見つける
③組立除法でP(x)をx − aで割り、商を求める
④商をさらに因数分解する

例題と単元テスト

例題 1
多項式P(x) = x³ − 2x + 5をx − 2で割った余りを求めよ。
1
剰余の定理より、x − 2で割った余りはP(2)である。
R = P(2)
2
x = 2を代入する。
P(2) = 2³ − 2·2 + 5 = 8 − 4 + 5 = 9
▸ 9
組立除法で実際に割っても、最後のますに9が出る。剰余の定理は、その計算を1回の代入にちぢめたものである。
例題 2
多項式P(x) = x³ + ax + 2がx + 1で割り切れるとき、定数aの値を求めよ。
1
x + 1 = x − (−1)なので、因数定理よりP(−1) = 0である。
P(−1) = 0
2
x = −1を代入して方程式を解く。
(−1)³ + a(−1) + 2 = 1 − a = 0 ⇒ a = 1
▸ a = 1
a = 1のときP(x) = x³ + x + 2 = (x + 1)(x² − x + 2)となり、たしかにx + 1が因数である。

まとめ

剰余の定理
P(x)をx − aで割った余り R = P(a)
1回の代入で余りが決まる
因数定理
P(a) = 0 ⟹ P(x) = (x − a) · Q(x)
余りが0ならx − aは因数
教育庁 高1 学力評価 類型
多項式 P(x) を x − 1 で割った余りが 3、x + 2 で割った余りが −3。P(x) を (x − 1)(x + 2) で割った余りを R(x) = ax + b とするとき、ab の値は?
①0
②1
③2
④3
⑤4
▸ ③ 2
1
剰余定理で P(1) = R(1)、P(−2) = R(−2) から二式を立てる。
a + b = 3, −2a + b = −3
2
連立して解くと 3a = 6、a = 2, b = 1。
a = 2, b = 1 ⇒ ab = 2
🎯 よく出るポイント
①x − aで割るときはaを、ax + bで割るときは−b/aを代入する
②因数定理で解をさがすときは、定数項の約数から代入してみる
③組立除法と組み合わせて高次式を因数分解する
④P(x)が(x − a)(x − b)で割り切れるなら、P(a) = 0とP(b) = 0が両方成り立つ
⑤余りの条件を逆に使って、わからない係数を求める

最終更新

このページがお役に立ったなら支援する