数I 多項式の演算 わかりやすく
Polynomial Operations
多項式のかけ算と割り算は、すでに知っている数の計算を文字に広げたものです。
2つの1次式の積は、長方形の面積を4つに分けて見ると、なぜその展開式になるのかがすぐにわかり、1次式で割る割り算は組立除法を使えば、係数だけで商と余りを手早く求められます。
17 = 5 × 3 + 2と同じように、多項式も(割られる式) = (割る式) × (商) + (余り)という形になり、これがこの単元全体をつらぬく軸です。
1つ目の図ではbによって面積モデルの部分が、2つ目の図では定数項によって組立除法の表の最後のますが変わります。
多項式のかけ算を面積で見る
整数で17を5で割ると商3、余り2が出て、これを17 = 5 × 3 + 2という1つの等式で書ける。多項式の割り算も、商と余りを別々に覚えるより、こうした1つの等式にまとめておくほうが、次の単元で使いやすい。かけ算も同じで、展開した結果だけを覚えると、符号や係数を1つ落としやすい。そこでこのページでは、かけ算を面積の図で、割り算を係数の表で見て、それぞれの項がどこから来てどこへ行くのかを目で追う。
2つの多項式の積は長方形の面積として見ることができる。(x + 3)(x + b)を展開すると、4つの小さな長方形の面積の和になる。図では3を固定し、bだけを変える。
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(x + 3)(x + b)を、横x + b、縦x + 3の長方形の4つの部分の面積で表した面積モデル面積の図は、1辺がxの正方形と、その右、下、右下のすみの3つの部分でできている。大きな正方形の面積はx²、右の部分はbx、下の部分は3x、すみの部分は3bである。bを1から7まで変えると、右側の2つの部分の横の長さだけが変わり、下に書かれた展開式の1次の項の係数3 + bと定数項3bもいっしょに変わる。たとえばb = 4なら(x + 3)(x + 4) = x² + 7x + 12である。
💡 面積モデルで見た展開
①x²は大きな正方形、3xとbxはとなりの2つの長方形、3bはすみの小さな長方形である
②4つの面積をすべて足すと、展開式x² + (3 + b)x + 3bになる
③(x + a)(x + b) = x² + (a + b)x + abという乗法公式は、まさにこの図である
多項式の割り算:組立除法
多項式をx − aで割るとき、組立除法を使うと、係数だけで商と余りを手早く求められる。
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x³ + 2x² − 5x + a₀をx − 1で割る組立除法の表と、商と余り🔑 組立除法の手順
①x − aで割るとき、表の左にaを書き、上の行に係数を次数の順に書く
②最高次の係数をそのまま下ろす
③下ろした数にaをかけて次の係数の下に書き、足す
④これを最後までくり返すと、下の行の前のほうは商の係数、最後の数は余りになる
割り算を等式で書く
組立除法の表をうめる順番だけを覚えると、最後のますがなぜ余りなのかを見落としやすい。1次式で割ると、余りはそれより次数が低くなければならないので定数になる。だから、いちばん下の行の前のほうのますは商の係数で、最後の1つだけが余りである。上の図で商はいつもx² + 3x − 2で、定数項を変えると最後のますだけが(定数項) − 2に変わる。定数項が2のとき余りは0になり、x³ + 2x² − 5x + 2がx − 1で割り切れることを表している。
多項式の割り算の等式
f(x) = (x − a) · Q(x) + R
(割られる式) = (割る式) × (商) + (余り)
次数の関係
n次式 ÷ 1次式 → 商は(n − 1)次式、余りは定数
1次式で割ると、商の次数は1つ下がる
📐 整数の割り算とくらべる
①17 ÷ 5は商3、余り2なので、17 = 5 × 3 + 2である
②多項式も同じ形で、f(x) = (割る式) × (商) + (余り)である
③余りの次数は、いつも割る式の次数より低い
④(割られる式の次数) = (割る式の次数) + (商の次数)である
乗法公式
平方の公式
(a ± b)² = a² ± 2ab + b²
同じ式を2回かけた展開
和と差の積
(a + b)(a − b) = a² − b²
和と差をかけると平方の差になる
3乗の展開
(a + b)³ = a³ + 3a²b + 3ab² + b³
係数1, 3, 3, 1は二項定理でn = 3の場合
例題と単元テスト
乗法公式の問題では、まず与えられた式がどの公式の左辺と同じ形かを選ぶ。(x + 3)²のように同じ式を2回かけるなら平方の公式を、和と積だけが与えられたらx² + y² = (x + y)² − 2xyのような変形を使う。数を入れる前に、それぞれの項が面積の図のどの部分にあたるかを思いうかべると、2abの2を落とすまちがいが減る。答えを書いたあと、x = 1のような簡単な数を両辺に入れて確かめるのもよい。
例題 1
(x + 3)²を展開せよ。
1平方の公式 (a + b)² = a² + 2ab + b² を使う。
(x + 3)² = x² + 2·x·3 + 3²
▸ x² + 6x + 9
面積の図でb = 3にすると正方形になり、まん中の2つの部分3xと3xが合わさって6xになる。
例題 2
x + y = 5, xy = 3のとき、x² + y²の値を求めよ。
1乗法公式を変形した x² + y² = (x + y)² − 2xy を使う。
x² + y² = (x + y)² − 2xy
2値を代入する。
= 5² − 2·3 = 25 − 6 = 19
▸ x² + y² = 19
xとyを別々に求めなくても、和と積だけで対称式の値が求められる。
まとめ
割り算の等式f(x) = (x − a)Q(x) + Rにx = aを代入すると、前の部分が0になってf(a) = Rだけが残る。表の最後のますを、割り算をしなくてもf(a)で直接求められるということで、これが次の単元の剰余の定理である。余りが0ならx − aは因数なので、乗法公式を逆に使って因数を見つける因数分解も、同じ等式の上に立っている。面積で見た展開と表で見た割り算が、同じ文字と同じ係数を使っていることをおさえておくと、次の単元がひとつにつながる。
割り算の基本の等式
f(x) = (割る式) × Q(x) + R
すべての多項式の割り算のもとになる形
高1 校内試験 類型
x + y = 4, xy = 2 のとき、x³ + y³ の値は?
▸ ③ 40
1立方の和の変形 x³ + y³ = (x + y)³ − 3xy(x + y) を使う。
x³ + y³ = (x + y)³ − 3xy(x + y)
2値を代入する。
= 4³ − 3·2·4 = 64 − 24 = 40
🎯 よく出るポイント
①乗法公式は因数分解と逆向きなので、両方向に使えるようにする
②組立除法は次の単元の剰余の定理に直結する
③割り算の等式のxに適当な値を代入すると、余りが求められる
④3乗の展開は二項定理に広がる
⑤(割られる式の次数) = (割る式の次数) + (商の次数)
最終更新