数III 数列の極限 わかりやすく Limit of a Sequence
数列は、n ごとに一つずつ値が並ぶ終わりのない列です。
n をどんどん大きくしたとき、値がある一つの行き先へ落ち着いていくかどうかが焦点で、その行き先こそが極限です。
限りなく近づけば収束、行き先が定まらず散らばったり上下に跳ねたりすれば発散と呼びます。
表示する項数を増やすと点が L = 1 に集まり、数列を切り替えると収束と発散が見比べられます。
数列の行き先 項番号 n はどこまでも大きくなりますが、最後の項はありません。 ですから数列の極限は、前のいくつかを足す和ではなく、番号が大きくなったあとの項が一つの値の近くに留まるかを問う言葉です。 どんな狭い帯を取っても、そのあとすべての項が帯の中に入れば収束、一つの値に付かなければ発散です。 関数の極限が点 a へ近づくのと違い、ここでは n → ∞ の整数番号だけを見ます。 収束する二つの数列の和・差・積は各極限で計算し、商は分母の極限が 0 でないとき極限の商です。 上下が同じ値に挟めば真ん中もその値に収束する、というのがはさみうちの原理です。
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aₙ = 1 + 1/n の項が極限 L = 1 に収束 最初の図は aₙ = 1 + 1/n で、赤い点線が高さ L = 1 にあります。 金色の点は選んだ個数だけ明るく、残りは薄く、番号は 1 から 20 まで付いています。 表示する項数を増やすと明るい点が増え、その数が 5 以上のとき金色の帯が ε = 1/n の幅で現れます。 同じ図が ε-N の欄でも使われ、ε 専用のスライダーはなく、帯の幅はこの n に縛られています。 比較の図は数列を三つから一つに切り替えます。 0番は 1+1/n、1番は (−1)ⁿ(1+1/n) で上下に分かれ、2番は n/(n+1) が下側から 1 の側へ付きます。点は各番号に一つずつ置いてあります。
👀 見て理解
金色の点が各項。n が大きくなるほど点は赤い破線(L = 1)に限りなく近づく。これが「収束」。
ε-N で理解する 前の項が大きくなっているからといって、数列が必ず発散するわけではありません。 比較の図の n/(n+1) は項が大きくなりながらも 1 の下に留まります。 逆に絶対値が大きく見えても、(−1)ⁿ(1+1/n) のように二つの高さのあいだを行き来すれば一つの極限には集まりません。 無限大へ遠ざかる発散と振動発散を一つの語でまとめると、点が一方へ落ちるのか二つの値を往復するのかが隠れます。 序盤の五項だけで判定すると、あとから狭くなる ε = 1/n の帯に入る項を見逃します。 有理式は最高次の項で割って 1/n のなりゆきを見、有界な因子は上下からはさんで判定します。
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金色帯(ε 帯)に項が収まる様子 📏 ε 帯の意味
①n を増やすと帯(ε 帯)は狭くなる
②どれほど狭い ε でも、十分大きな N 以降の全項が帯内
③これが収束の厳密な定義
④ε スライダーはない。帯の幅はステップ1の n に束ねられる。任意の ε は文
ε-N 定義
∀ε > 0, ∃N : n ≥ N ⇒ |a n − L| < ε
任意の正の ε に対し、十分大きな N が存在し n ≥ N で |aₙ − L| < ε
収束と発散の比較 see gongsik.com
収束する数列と発散する数列の比較 🔍 3 つのパターン
①0:1+1/n → 1 に収束
②1:(-1)ⁿ(1+1/n) — 振動して発散
③2:n/(n+1) → 1 に収束(下から接近)
極限の基本性質 数列の四則演算
lim(a n ± b n ) = α ± β, lim(a n · b n ) = α · β
収束する 2 数列の和・差・積の極限
商の極限
lim a n b n = α β (β ≠ 0)
β ≠ 0 のとき商の極限は極限の商
はさみうちの定理
a n ≤ c n ≤ b n , lim a n = lim b n = L ⇒ lim c n = L
上下から同じ値で挟めば、間も同じ値に収束
例題で確認 例題 1
極限 lim n→∞ 2n+3 n-1 の値を求めよ。
1 分子と分母をそれぞれ n で割る。
2n+3 n-1 = 2 + 3/n 1 - 1/n
2 n → ∞ のとき 3/n → 0、1/n → 0。
2 + 0 1 - 0 = 2
▸ 2
分数式の極限は、分母の最高次の項で分子・分母を割るのが定石。
例題 2
極限 lim n→∞ sin n n の値を求めよ。
1 −1 ≤ sin n ≤ 1 なので、両辺を正の数 n で割る。
- 1 n ≤ sin n n ≤ 1 n
2 両端の極限がともに 0 なので、はさみうちの定理で中央も 0。
lim n→∞ (-1/n) = lim n→∞ 1 n = 0
▸ 0
sin・cos のように有界な数列は ±1/n で挟み、はさみうちの定理を使う。
まとめ 主要な極限公式
lim n→∞ 1 n p = 0 (p > 0), lim n→∞ r n = 0 (|r| < 1)
1/n p → 0、|r| < 1 で r n → 0
共通テスト類題
極限 lim n→∞ (√(n 2 +3n) − n) の値は?
▸ ② 3 2
1 根号を含む ∞ − ∞ 型なので、共役な式を掛けて有理化する。
√(n 2 +3n) − n = 3n √(n 2 +3n) + n
2 分子・分母を n で割ると、分母は 2 に収束する。
3 √(1 + 3/n) + 1 → 3 2
🎯 試験ポイント
①定義:ε-N の流れを把握
②各々収束すれば四則演算可
③振動する数列は極限を持たない
④挟みうちで両端が一致なら中も収束
⑤1/n^p → 0、r^n → 0(|r| < 1)の公式必須