わかりやすく ネットワーク層 とは
手紙を出すとしましょう。文章は便せんに書き、便せんは封筒に入れ、封筒には住所を書いて、郵便かごに入れます。一人がすべてを一度にこなすのではなく、手順が分かれているのです。ネットワークも同じように、仕事を層に分けて進めます。
なぜ層に分けるのか
前に見たように、私のメッセージはいくつもの駅を通って届けられます。けれども、一回届けるだけでも、やることはかなり多いのです。
中身を詰め、抜けたり順番が入れ替わったりしないよう気を配り、どこへ送るかの住所を付け、それを実際の信号に変えなければなりません。
これをすべて一つのかたまりで処理しようとすると、複雑すぎてこんがらがりやすくなります。
左のかたまりを押すとやることが一つにもつれ、右を押すと中身・正確さ・住所・信号が層に分かれてはっきりします。
一つのかたまりにまとめられた仕事は、手を付けるのがこわくなります。一つを直すと、関係のないところまで揺れてしまうからです。
層に分けておけば、それぞれの層は自分の仕事だけを受け持ちます。住所を付ける層は中身が何かを知らなくてよく、信号に変える層は住所を知らなくてかまいません。
だから一つの層を直しても、ほかの層はそのままです。これが、層に分ける一つ目の理由です。
何重にも包む
送るときは、メッセージを何重にも包みます。まず便せんに中身を書き、その便せんを内封筒に入れます。内封筒をさらに外封筒に入れ、外封筒に住所を書きます。
最後にそれを郵便かごに入れますが、このかごが0と1でできた実際の信号にあたります。
内側の中身はそのままにして、外側に一枚ずつかぶせていくのです。このように包むことを、カプセル化と呼びます。
ボタンを押すたびに、一枚ずつ包みます。便せん → 内封筒 → 外封筒 → 郵便かごの順に包み終えると、カプセル化の完了です。
包み終えると、外からは郵便かごしか見えません。外側の信号は、中にどんな中身が入っているかを知る必要がなく、ただ0と1を運べばよいのです。
反対に、便せんは住所が何かを気にしません。それぞれの層が、自分の受け持ちだけを見ています。
どの層も自分の仕事だけをする
四つの層は、それぞれ受け持つ仕事が違います。便せんは何を言うか、つまり中身を受け持ちます。内封筒は抜けなく順番どおりに全部届いたか、つまり正確さを受け持ちます。
外封筒はどこへ送るか、つまり住所を受け持ち、郵便かごは0と1を実際の線や電波に載せる信号を受け持ちます。
実際のインターネットでは、この四つの層をふつうアプリケーション層、トランスポート層、インターネット層、リンク層と呼びます。
層を一つずつ押すと、その層が受け持つ仕事だけがはっきり光ります。中身・正確さ・住所・信号の四つの仕事が、四つの層に一つずつ分かれています。
おもしろいのは、一つの層が隣の層の内情を知らなくてよいことです。住所の層は、中身があいさつなのか写真なのかを知る必要がなく、信号の層は、上に書かれた住所が何かを気にしません。
それぞれが自分の持ち場を守っていれば、全体はすらすら回ります。では、受け取る側はこの重なりをどうほどくのでしょうか。
受け取ったら逆にはがす
届いた側では、包んだときと逆の順番でほどきます。まず郵便かごから取り出し、0と1をもう一度封筒のまとまりに集めます。
次に外封筒をはがします。住所はもう役目を果たしたので、取り外します。続いて内封筒をはがしながら、抜けなく届いたかを確かめます。
最後に便せんを広げると、送り手のメッセージがそのまま現れます。
ボタンを押すたびに、外側から一枚ずつはがします。郵便かご → 外封筒 → 内封筒 → 便せんの順にはがすと、メッセージが届きます。
すべての層をはがすと、最初に書いたメッセージがそのまま残っていました。送り手が包んだ順番を、受け手がちょうど逆にほどいたからです。
だから、内側の中身は途中ずっと手を付けられません。同じ層どうしは同じ約束に従っていて、この約束をプロトコルと呼びます。この約束のおかげで、作った会社が違う機械どうしでも話が通じます。
まとめ
一言でまとめると、ネットワークはすべての仕事を一度にせず、層に分けて、それぞれの層が自分の仕事だけをします。
送るときは便せんから郵便かごまで何重にも包み、これがカプセル化です。受け取るときは逆に、外側から一枚ずつはがしてメッセージにたどり着きます。
どの層も同じ約束を守るので、複雑な仕事も単純に、しっかりと回ります。
ボタンを押すたびに、要点が一つずつ現れます。(層に分ける → 送るときに包む(カプセル化) → どの層も自分の仕事だけ → 受け取るときに逆にはがす)四つすべてが出そろえば、まとめは完了です。
これで、メッセージを層に分けて包み、ほどく方法がわかりました。外封筒の住所を受け持つ層が、前に見た数字の住所を使うところです。
では、その外封筒を受け取った駅は、分かれ道で次の駅をどうやって選ぶのでしょうか。次のレッスンでは、道を選ぶこと、つまりルーティングを扱います。