seegongsik
人工知能

わかりやすく AI 学習 とは

猫の写真と犬の写真がたくさんあるとしましょう。コンピューターに二つを見分けさせるには、どうすればよいでしょうか。耳の形、鼻、毛を一つずつ決まりとして書いてあげることもできますが、写真ごとに見た目がちがうので、決まりはきりがありません。そこで、別の道を使います。答えのついた写真をたくさん見せて、機械が自分でちがいを見つけるようにするのです。機械が学ぶというのは、まさにこのことです。

01

人が決まりを書く

これまで見てきたプログラムは、人が書いた命令をそのまま実行しました。何かをさせるには、人が先に決まりを考えて書いてあげなければなりませんでした。迷惑メールをふり分ける仕事を例にしてみましょう。
「セール」という言葉があれば捨てる、リンクが多すぎれば捨てる、大文字だけで書かれていれば捨てる。このように決まりを一つずつ書いておけば、たいていの迷惑メールはふり分けられそうです。

決まり(押して切りかえ)
受け取ったメール
mail 1見のがし
mail 2普通
mail 3見のがし
mail 4普通
mail 5見のがし
mail 6見のがし
決まりをオンにして、迷惑メールをふり分けましょう

決まりを一つずつオンとオフにして、メールをふり分けてみましょう。決まりを全部オンにしても、姿を変えた迷惑メールが一通すり抜けます。

決まりをオンにするほど、ふり分けられる迷惑メールは増えました。でも、一通だけは最後まですり抜けます。迷惑メールを送る側は、つかまらないように姿を変え続けるからです。「セール」のかわりに「プレゼント」と書いたり、リンクを画像の中にかくしたりします。
そのたびに新しい決まりをまた書かなければならないので、決まりはきりなく増えていきます。決まりどうしがぶつかることもあり、厳しくしすぎると普通のメールまで捨ててしまいます。人が一つずつ書くやり方では、こうした変化に追いつくのはむずかしいのです。

02

例から決まりを見つける

今度は、道を逆にしてみましょう。決まりを書くかわりに、答えのついた例をたくさん見せます。「これは迷惑メール」「これは普通」というしるしのついたメール、何千通もです。
機械はこうした例を見ながら、迷惑メールどうしの似ているところと、普通のメールどうしの似ているところを自分で見つけ出します。そうして見つけたパターンが、機械が作った決まりです。このように答えのついた例から学ぶやり方を、教師あり学習といいます。

例の空間
● 迷惑メール● 普通
例を0個見ました

答えのついた例を一つずつ見せてみましょう。例が増えるほど、二つのグループを分けるパターンがはっきりしてきます。

例が増えるほど、二つのグループを分ける境目がはっきりしました。人が境目を引いたのではなく、機械が例の中から直接見つけたのです。
おどろくのは、人が言葉でうまく説明しにくいちがいでも、例さえ十分にあれば見つけ出すことです。ただし、最初に見つけたパターンはまだ荒く、いくつかはまちがって分けることがあります。このパターンは、どうやってみがけばよいのでしょうか。

03

まちがえながら少しずつ直す

学びは、一度では終わりません。機械は例を見て答えを出してみて、正解とくらべます。まちがっていたら、どれだけまちがったかを測り、パターンをほんの少し直します。
次の例でまたまちがえたら、また直します。これを数えきれないほどくり返すと、まちがいの数がだんだん減っていきます。どれだけまちがったかを測る方法と直す方法は、あとで損失関数、勾配降下法という名前でくわしく扱います。

正確さ0回目のみがき
55% 正確さ
まちがい9個
例をもっとあたえて、正確さを上げましょう

例をひとまとまりずつ追加してみましょう。押すたびに機械がパターンを直し、正確さが上がって、まちがえた例が減ります。

例をあたえるたびに、正確さが上がりました。最初は半分ほどしか当たらなかったパターンが、何度かみがくと、十のうち九は当たるようになりました。
ただし、どこまでも完璧になるわけではありません。ある地点からは少しずつしかよくならず、最後までまちがえる例が一つくらい残ることもあります。それでも、手で決まりを書いていたころより、ずっと少ない手間でここまで来ました。では、こうしてみがいたパターンは、何に使うのでしょうか。

04

新しい入力も予測する

学びの本当の手ごたえは、ここにあります。学習に使った例は、もう答えが分かっています。役に立つのは、一度も見たことのない新しいメールに出会ったときです。
機械は、みがいておいたパターンに新しいメールを照らし合わせて、迷惑メールか普通のメールかを判断します。例を覚えたのではなくパターンを見つけたので、はじめて見るメールにも答えを出せます。このように、新しい入力について答えを見積もることを予測といいます。

新しいメール(学習に使っていないもの)
新しいメールを押して、予測を見ましょう

学習に使っていない新しいメールを押してみましょう。機械が学んだパターンで迷惑メールか普通かを予測し、当たったかどうかも教えてくれます。

見たことのないメールも、ほとんど正しくふり分けました。覚えた答えを出したのではなく、例から見つけたパターンを新しい入力にあてはめたのです。だから、形が少しちがっても、似ているところを見て判断できます。
でも、最後のメールのように外れることもあります。パターンが完璧ではないからです。そのため機械学習では、学習に使わない例を別にとっておき、新しい入力をどれだけ当てられるかを、それで測ります。

05

まとめ

まとめるとこうです。ふつうのプログラムは人が書いた決まりどおりに動きますが、世の中のことは決まりで全部書くには複雑すぎます。そこで機械学習は、道を逆にします。答えのついた例をたくさん見せると、機械が共通のパターン、つまり決まりを見つけます。
まちがえたら少しずつ直してだんだんよく当たるようになり、そのパターンで、はじめて見る入力まで予測します。決まりを書くかわりに例から学ぶこと、これがかなめです。

要点4つを順に押しましょう
下の要点を上から順に押しましょう

要点を順に押して振り返りましょう。(人が決まりを書く → 例から決まりを見つける → まちがえながら直す → 新しい入力を予測する)

これで、機械が学ぶとはどういうことかが分かりました。人が一つずつ教えるかわりに、例を見て自分で決まりを見つけることです。写真を見分け、言葉を聞き取る今の機械は、みなこの考えから出発しました。
でも、例からパターンを見つけるには、まずデータを要約して読めなければなりません。データのまとまりを、まんなかや散らばりぐあいのような少しの数で表す方法を、次のレッスン「統計」で扱います。

一言でいうとふつうのプログラムは、人が一つずつ書いた決まりどおりに動きます。でも、世の中のことは決まりが多すぎ、しかもよく変わるので、全部書くのはむずかしいのです。機械学習は、道を逆にします。答えのついた例をたくさん見せると、機械がその例から共通のパターン、つまり決まりを自分で見つけ出します。最初はまちがえますが、どれだけまちがったかを測って少しずつ直し、だんだんよく当たるようになります。そうしてみがいたパターンで、一度も見たことのない新しい入力まで予測でき、どれだけ当たるかは学習に使わなかった例で測ります。決まりを人が書くかわりに例から機械が見つけ、まちがえながら直し、新しいものを予測すること、これが学ぶということです。
← 人工知能
このページがお役に立ったなら支援する