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人工知能

わかりやすく AI データ なぜ 大事

前のレッスンでは、モデルが訓練データを覚えるのではなく、パターンをとらえなければならないことを見ました。では、そのデータそのものがでたらめだったら、どうなるでしょうか。同じモデルでも、どんなデータで学ぶかによって、結果はまったく変わります。実際、よいAIを作る秘けつは、もっと賢いモデルよりも、もっとよいデータであることが多いのです。料理でいえば、腕前より材料が先というわけです。

01

ごみを入れればごみが出る

機械は、私たちがあたえた例だけを見て学びます。だから、例がまちがっていれば、そのまちがいまでそのまま学んでしまいます。猫の写真に犬というラベルをつけてあたえると、機械は猫を犬だと答えるようになります。
かたよった例ばかりあたえると、世の中がそのようにかたよっていると信じこみます。これを短く、ごみを入れればごみが出る、といいます。人が見てもでたらめなデータからは、どんなによいモデルでも、でたらめしか学べません。

正確さ96%
きれいな例で、機械がうまく分けています
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まちがった例を一つずつ入れてみましょう。ラベルが入れかわった例が増えるほど、機械の判断がにごり、正確さが下がります。

まちがった例が積み重なるほど、機械の答えはめちゃくちゃになりました。機械は何が正しいかを自分では知らず、私たちがあたえたデータをそのまま信じます。だから、ラベルがまちがっていたり、かたよっていたりするデータは、そのまま悪いくせになってしまいます。
逆にいえば、データを正すだけで、同じモデルがずっとよくなりうるということです。

02

よい材料をあたえれば、きちんと学ぶ

では、よい材料とはどんなものでしょうか。一つめに、ラベルが正確でなければなりません。猫は猫、犬は犬というようにです。二つめに、かたよっていてはいけません。猫の写真はたくさんあたえ、犬の写真は数枚だけだと、機械は犬をほとんど見分けられません。
三つめに、実際に使われる場面に似ていなければなりません。明るい昼の写真だけで学んだモデルは、暗い夜の写真の前でまごつきます。ぼやけていたり、おかしなものがまざっていたりするデータは、のぞいた方がよいでしょう。

ラベルのまちがい: 2バランス: 6 / 2
正確さ58%
ラベルがまちがっていて、かたよった材料です

ボタンを押して、でたらめな材料を、きれいでバランスのとれた材料にかえてみましょう。材料がよくなったとたん、機械の正確さが上がります。

モデルには手をつけていないのに、正確さがぐんと上がりました。変わったのは材料だけです。ラベルを正し、両方をまんべんなくそろえると、同じモデルがきちんと学んだのです。
だから現場では、モデルに手を入れる前に、データを調べて整えることに多くの時間をかけます。データがかたよっていると、モデルもかたよった判断をしてしまいます。この問題は、あとでAIの倫理を扱うときにまた見ます。

03

問題に合う特徴を選ぶ

データがきれいでも、決めなければならないことがもう一つあります。何を見て判断させるかです。判断の手がかりとして選ぶ値を、特徴と呼びます。家の値段を当てる問題を考えてみましょう。
家の広さや場所、部屋の数は、値段と深く結びついています。広くて交通の便がよい町の家は、値段が高くなります。では、玄関の色や、建てた曜日はどうでしょうか。値段とはほとんど関係がありません。こうした関係のない特徴は、かえって判断をにごらせます。

正確さ40%
家の値段に関係する特徴を選びましょう

家の値段の予測に使う特徴を選んでみましょう。広さや場所のように関係のある特徴は正確さを上げ、玄関の色のように関係のない特徴は、逆に下げます。

合う特徴を選ぶたびに正確さは上がり、関係のない特徴を入れると下がりました。特徴が多ければよいというわけではありません。関係のない特徴が多いと、モデルはその中の偶然のパターンまで覚えて、過学習しやすくなります。
問題と本当に関係のある手がかりを選ばなければなりません。このように特徴を選んで整える作業を特徴量エンジニアリングといい、長いあいだ、機械学習でいちばん手間のかかる仕事でした。

04

よいデータは多いほどよい

材料がきれいで特徴も合っていれば、今度は量が大切になります。例が数個しかないと、たまたま入ってきた一つ二つのめずらしいケースに、機械がふり回されやすくなります。
例が多くなると、そうした偶然はうもれて弱まり、よく現れる本当のパターンがはっきりしてきます。だから、きれいなデータは多いほど心強いのです。

正確さ62%
例が少なく、境界が偶然でぐらつきます
例の数: 4

データをもっと集めるボタンを押してみましょう。例が増えるほど偶然のゆれがおさまり、境界が安定して、正確さが上がります。

データを増やすほど、境界は安定し、正確さは上がりました。少ないときは点一つでもぐらついていましたが、多くなるとゆれがおさまりました。
もちろん、量を増やせばよいというわけではありません。ごみをいくら集めても、ごみはごみです。きれいでかたよりのないデータであってはじめて、多いほどよいという言葉が通用します。質が先で、量はそのあとです。

05

まとめ

まとめるとこうです。機械は、私たちがあたえたデータのぶんだけしか学びません。でたらめを入れればでたらめが出て、きれいでバランスのとれた材料をあたえればきちんと学びます。問題に合う特徴を選ばなければならず、関係のない手がかりはかえってじゃまになります。
よいデータは多いほど心強いのですが、質が先です。よい材料が、よいAIを作ります。

要点を順に押しましょう

要点を順に押して振り返りましょう。(ごみを入れればごみ → きれいな材料できちんと学ぶ → 合う特徴を選ぶ → よいデータは多いほど)

これで、データがなぜそれほど大切なのかが分かりました。人はよく、もっと賢いモデルを思いうかべますが、実際に結果を分けるのは材料であることが多いのです。
でも、写真のように、どの特徴を選べばよいかを人が一つずつ決めるのがむずかしいデータもあります。何百万個もの画素のうち、どれが猫の手がかりなのでしょうか。ニューラルネットワークが特徴を自分で見つけ出す方法を、次のレッスン「CNN」で扱います。

一言でいうとAIの実力は、モデルと同じくらい、ひょっとするとそれ以上に、データにかかっています。一つめに、ごみを入れればごみが出ます。ラベルがまちがっていたり、かたよっていたりするデータで学ぶと、機械はそのまちがいまでそのまま学びます。二つめに、ラベルが正確で、バランスがとれていて、実際の使い方に似た材料をあたえれば、同じモデルでもきちんと学びます。三つめに、問題に合う特徴を選ばなければなりません。家の値段を当てるなら、広さや場所は役に立ちますが、玄関の色は役に立たず、かえってじゃまになります。四つめに、よいデータは多いほどよく、例が多いほど偶然にふり回されにくく、本当のパターンをとらえます。きれいでかたよりのないデータを、合う特徴でたっぷりあたえることが、よいAIの土台です。
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