分類 機械学習 わかりやすく
前のレッスンでは、点の間に直線を引いて、点数のような値を予測しました。でも、問いがちがうこともあります。このメールは迷惑メールか普通か、この写真は猫か犬か。数を一つ当てるのではなく、どのグループに入るかを分けるのです。このように、決まったグループの中から一つを選ぶことを分類といいます。
二つのグループが別々に集まる
点が散らばっていますが、今度は点ごとに色があります。一つの色は迷惑メール、もう一つの色は普通のメールだとしましょう。点の位置は、メールの特徴で決めます。たとえば、横はリンクの数、縦は宣伝の言葉の数というように。
よく見ると、同じ色どうしが似た場所に集まっています。迷惑メールは迷惑メールどうし、普通のメールは普通のメールどうしです。特徴が似たものどうしが近くに置かれるからです。
広げるボタンを押してみましょう。まざっていた点が同じ色どうし似た場所に集まり、二つのグループが見えてきます。
二つのグループが見えます。左に一つの色、右にもう一つの色が集まっています。人の目にはすぐ分けて見えますが、コンピューターにさせるには、目分量ではなく、はっきりした決まりが必要です。
どこまでが一方で、どこからがもう一方かを線一本で引いておけば、決まりがすっきりします。
間に境界線を引く
二つのグループの間に、線を一本引きます。この線を決定境界と呼びます。線の一方は一つのグループの領分で、もう一方はもう一つのグループの領分です。
よい境界線は、二つのグループをきれいに分けます。同じ色が線をこえてはいけません。線を一方にかたよせて引くと色がまざってしまうので、位置をうまく決めることが大切です。
境界線の位置を押して動かしてみましょう。一方にかたよると同じ色が線をこえ、まんなかに置くと二つのグループがきれいに分かれます。
境界線が、二つのグループを分けました。これで、線の左は一つのグループ、右はもう一つのグループだと、はっきり言えます。目分量ではなく、決まりができたのです。
実際のデータは、こんなにきれいに分かれないことがよくあります。そういうときは、まちがって分ける点がいちばん少ない線を探します。線の傾きと位置を少しずつ直しながらまちがいの数を減らすので、前のレッスンでずれを減らしたのと同じ考え方です。では、はじめて見る新しい点は、どのグループに入れればよいのでしょうか。
新しい点は、どちら側かで決める
新しいメールが一通届いたとしましょう。迷惑メールか普通かはまだ分かりませんが、特徴を測れば、どのあたりに置かれるかは分かります。その場所が境界線のどちら側かを見るだけでよいのです。
左に落ちれば左のグループ、右に落ちれば右のグループです。多くの分類器はもう一歩進んで、境界から遠く離れるほど、そのグループである確率が高いと答えます。境界のすぐそばの点は確率が五分五分に近く、迷いやすい点です。
あいているところを押して、新しい点を打ってみましょう。境界のどちら側に落ちるかによって、点の色、つまりグループが決まります。
新しい点は、落ちた場所によって色が決まりました。境界線の左なら左の色、右なら右の色です。決まりが単純で一定なので、新しい点が百個来ても、同じ決まりで一つずつ分ければすみます。
でも、世の中のグループはいつも二つだけとはかぎりません。猫、犬、鳥のように三つ以上のときは、どうすればよいでしょうか。
三つ以上なら境界を増やす
グループが三つなら、線一本では足りません。線一本は、領分を二つにしか分けられないからです。そういうときは、境界を増やして、領分を三つ、四つのますに分けます。
ますごとに一つのグループの領分になり、新しい点は同じように、どのますに落ちるかで分けます。確率で答える分類器なら、グループごとに確率をつけて、いちばん大きいグループを選べばよいのです。前に見た確率の考え方が、そのまま使われます。
境界を足すボタンを押してみましょう。領分が二つのますから三つ、四つへと分かれ、グループごとに自分のますができます。
ますが増えても、決まりは同じでした。境界を増やしてますを分け、新しい点はどのますかで分けます。グループが二つでも四つでも、もとにある考え方は同じです。
境界は、直線でなくてもかまいません。グループが曲がりくねってまざっていれば曲がった境界が必要になり、あとで学ぶニューラルネットワークは、そうした複雑な境界もえがき出します。
まとめ
まとめるとこうです。分類は、決まったグループのうちどこに入るかを分けることです。値を当てる回帰とちがって、グループの名前で答えます。二つのグループの間に境界を引き、新しい点は境界のどちら側かで分けます。
グループが三つ以上なら、境界を増やします。位置一つでグループを決め、必要なら確率でどれくらい確かかも言うこと、これが分類です。
要点を順に押して振り返りましょう。(二つのグループに分ける → 間に境界線 → 新しい点はどちら側かで → 三つ以上は境界を増やす)
これで、回帰と分類という二つの予測を、どちらも見ました。一方は数で、もう一方はグループで答えますが、どちらも例の中から線を見つけて新しい入力に使うという点は同じです。
でも、よい線を見つけるには、まず今の線がどれくらいまちがっているかを測らなければなりません。まちがいの度合いを一つの数で表す方法を、次のレッスン「損失」で扱います。